術後遠隔期に収縮性心膜炎を合併した肺動脈弁閉鎖不全,三尖弁閉鎖不全の1治験例
- 小倉 健1),
- 岩田 祐輔1, 2),
- 渕上 泰1),
- 中村 真1),
- 長尾 遼太郎1),
- 桑原 直樹3),
- 山本 哲也2, 3),
- 寺澤 厚志3),
- 田中 秀門3),
- 桑原 尚志3),
- 高橋 一浩2),
- 荒井 正純4),
- 矢ケ崎 裕人2, 4),
- 上谷 渓2, 4)
- 岐阜県総合医療センター小児医療センター小児心臓外科
- 岐阜県総合医療センター成人先天性心疾患診療科
- 岐阜県総合医療センター小児医療センター小児循環器内科
- 岐阜県総合医療センター循環器内科
doi: 10.34376/jsachd.C-2025-0006 PDF
早期公開日:2026年5月15日
収縮性心膜炎は比較的稀な疾患であり,心膜切除術の手術死亡率は5–10%と他の心臓手術と比較して決して低くはない.収縮性心膜炎に肺動脈弁閉鎖不全,三尖弁閉鎖不全を合併した症例に対して外科治療を行い,良好な経過を得たので報告する.症例は49歳女性.4歳時に肺動脈弁狭窄に対して肺動脈弁交連切開術が施行され,40歳時に心房粗動に対してカテーテルアブレーションが施行されていた.45歳頃より労作時呼吸苦が増悪し,当初拡張障害によるHeart failure with preserved ejection fraction (HFpEF)として加療されていたが,胸部X線で心膜石灰化が疑われ,各種検査で収縮性心膜炎,重症肺動脈弁閉鎖不全,三尖弁閉鎖不全と診断し手術適応となった.前回の心膜閉鎖の縫合部が骨化しており,心臓の背側から左側への一部心膜と癒合した石灰化病変とで心臓を絞扼していた.病変部と石灰化心膜を完全に切除し,肺動脈弁置換,三尖弁輪縫縮を同時に施行し術後合併症なく自覚症状や身体活動度の改善が得られた.
キーワード:収縮性心膜炎,心膜切除術,肺動脈弁置換術,三尖弁輪縫縮術
