総説

成人先天性心疾患患者における就労状況および就労の関連要因に関するスコーピングレビュー

  • 岡田 明子1)
  • 小板橋 俊美2)
  • 小玉 淑巨1)
  • 藤田 鉄平2)
  • 郡山 恵子2)
  • 早坂 由美子3)
  • 神谷 健太郎4)
  • 三木 隆史5)
  • 池田 桃子5)
  • 平田 陽一郎6)
  • 武藤 剛7)
  • 江口 尚8)
  • 阿古 潤哉2)
  • 北里大学 看護学部
  • 北里大学 医学部循環器内科学
  • 北里大学病院 トータルサポートセンターソーシャルワーク室
  • 北里大学 医療衛生学部
  • 北里大学大学院 医療系研究科
  • 北里大学 医学部小児科学
  • 北里大学 医学部衛生学
  • 産業医科大学 産業生態科学研究所産業精神保健学研究室

doi: 10.34376/jsachd.R-2024-0011 PDF

早期公開日:2025年7月30日

【背景】先天性心疾患患者の就労に関する研究は実施されているが,既報研究を整理したレビューは報告されていない.本研究では,スコーピングレビューにより,就労状況および就労の関連要因に関する文献を整理し,研究の特徴と今後必要とされる研究領域を明らかにすることとした.
【方法】文献検索は医学中央雑誌Web, PubMed, CINAHL, EMBASEを用い,先天性心疾患患者の就労状況および就労の関連要因に関する記述がある文献を対象とした.
【結果】2632件の文献をスクリーニングし31件を分析対象とした.研究デザインは24件が横断研究であり,就労および未就労割合の算出方法は国や研究により異なっていた.就労の関連要因は,疾患の重症度など身体的要因,年齢や性別など患者要因,抑うつなど心理・精神的要因,選択肢の少なさなど社会的要因,職場の理解など職場要因に分類された.
【結論】就労状況に関する研究は,横断研究など一時点の調査にとどまっており,継続的な支援体制を構築するためには,縦断研究や質的研究の必要性がある.

キーワード: adult congenital heart disease,employment status,social independence,quality of life