症例報告

左側房室弁逆流,心房細動を生じた不完全型房室中隔欠損症に対する成人期再手術の1例

  • 細田 隆介1)
  • 帆足 孝也1)
  • 平野 暁教1)
  • 渕上 裕司1)
  • 赤津 尭之2)
  • 飯島 至乃1)
  • 長谷川 早紀3)
  • 中埜 信太郎3)
  • 鈴木 孝明1)
  1. 埼玉医科大学国際医療センター小児心臓外科
  2. 埼玉医科大学国際医療センター心臓血管外科
  3. 埼玉医科大学国際医療センター心臓内科

doi: 10.34376/jsachd.C-2025-0002 PDF

早期公開日:2026年4月24日

症例は51歳男性.不完全型房室中隔欠損症に対し5歳時に他院で一次孔欠損パッチ閉鎖を施行.左側房室弁の前尖に相当する部分に裂隙を認めず弁形成は未実施.40歳時に心房細動(Af)発症,mildからmoderateの左側房室弁逆流(LAVVR)を合併.47歳時にカテーテルアブレーション施行も緩解せず.LAVVRもsevereとなり外科治療目的に当科紹介.心電図は心拍数58 bpmのAf. LAVVRはcenterからsevereでCox MAZE IVに準じた凍結凝固とLAVV形成の方針となる.手術は右房切開,経中隔で左側房室弁にアプローチ.冠静脈洞は左房に開口.前尖の裂隙は痕跡的で同部の縫合で逆流に改善なく,A2–P2間のmattress縫合でAlfieri stitchとすることで逆流改善.CryoICE®による肺静脈のbox isolationと同部から左心耳とLAVV後尖弁輪,心房中隔切開から冠静脈洞開口部,右房側は右房切開から右側房室弁,下大静脈開口部,右心耳へと凍結凝固施行.大動脈遮断解除後は洞調律に復帰.術後17日に自宅退院.術後1ヶ月でLAVVRはmild, Af再発を認めない.

キーワード:房室中隔欠損症,再手術,心房細動,左側房室弁逆流