原著

先天性心疾患領域に携わる医師が移行期医療支援センターに期待する機能

  • 秋山 直美1)
  • 落合 亮太1)
  • 三谷 義英2)
  • 八尾 厚史3)
  • 檜垣 高史4)
  • 水野 篤5)
  • 丹羽 公一郎5)
  • 白石 公6)
  • 横浜市立大学 医学部看護学科成人看護学
  • 三重大学大学院 医学系研究科小児科学
  • 東京大学医学部 保健健康推進本部
  • 愛媛大学医学部 地域小児・周産期学講座
  • 聖路加国際病院 心血管センター循環器内科
  • 国立循環器病研究センター 教育推進部・小児循環器部

doi: 10.34376/jsachd.O-2021-0006 PDF

早期公開日:2022年3月25日

 【背景】2017年から各都道府県に移行期医療支援センターを設置することとなっている.本研究では先天性心疾患領域において移行期医療支援センターに期待される機能を明らかにすることを目的とした.
 【方法】日本成人先天性心疾患学会認定修練施設81施設の責任者である医師を対象に自記式質問紙調査を行った.期待される機能は,先行研究から抽出した移行期支援の内容16項目について,必要性と期待を各5件法で尋ね比較した.
 【結果】79施設から回答を得た(回収率97.5%).移行期医療支援センターへの期待が高い項目は「患者に利用できる医療費助成制度を知ってもらう」「患者に利用できる福祉制度を知ってもらう」「患者に自身が成人期以降も受診できる医療機関を知ってもらう」「患者が就職に関して相談できる機会を持つ」「患者が進学に関して相談できる機会を持つ」などの社会・福祉的支援に関する項目であった.
 【結論】移行期医療支援センターには社会・福祉的支援が期待されていることが明らかとなった.

キーワード:

移行期医療,移行期医療支援センター,成人先天性心疾患