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全国心臓病の子どもを守る会兵庫県支部 木村宏美
こども病院は創設以来30年の歴史を刻み,当時赤ちゃんだった患者は30歳をすぎる年齢になりました.開設当時,むずかしい心臓病のために助けられなかった患者が,医療の進歩とともに助けられ,いまでは社会生活をおくれるようになっています.
私たちの子どもの多くは先天性心疾患で県立こども病院に通院し,乳児・小児期に手術を受け,継続した医療の中で病気とともに生きてきました.医学の発達の恩恵を受けて,いまでは成人期を迎える患者が多くなりました.成人期に達した患者は外来での診察を受けておりますが,現在のこども病院では入院しての治療が受けられません.もし,入院できたとしても小さな子どもたちと同じ部屋,同じベッドでは,ちょっと肩身の狭い入院生活になってしまうことでしょう.このような患者は,こども病院の医療体制に対して不安を感じているのが現状です.手術を受けて社会に出た子どもたち,大人になったからといって医療と切り離した生活できるわけではありません.成人期に達した人たちは「これから先どうなるのだろう」「再手術もあると聞いているが,こども病院でできるのだろうか」と,非常に不安な思いを持っています.先天性疾患患者の多くは小児科で継続した治療・経過観察を受けるべきであると聞きました.別の病院に転院することは患者・家族の不安を駆り立てることになります.
兵庫県立こども病院の場合は,お腹の中の赤ちゃんから新生児期に至る周産期医療は,1994年周産期医療センターとして併設され,リスクのある子どもたち,そしてお母さんが安心して医療を受けながらお産ができるようになりました.生まれてからは現在受けている医療で満たされています.また,2002年10月救急病棟が造られ,救急医療は対応できるようになりました.残されているのが思春期そして成人期に達して受ける医療の部分であり,治療だけでなく悩みやこころの問題に対応できる必要性を感じます.さらに患者が父親・母親になるときの不安を解消することも大切です.
となると,医療は年齢や生活とは切り離しては考えられないものとなります.福祉は「ゆりかごから墓場まで」といいますが,医療についてもまさしく「ゆりかご前から」継続して受けるものであるといっても過言ではありません.
「こども病院で治療を受けている患者が,継続して医療が受けられるよう成育医療センターとして拡充してください」と,私たちは兵庫県に対してお願いしてまいりました.しかし,残念なことに今日まで実現されておりません.1970年代に,小児専門の病院の草分けとして創設された兵庫県立こども病院です.国内でも有数の医療技術を持つ病院として,患者は県外からも多数来院しております.こども病院に通院するすべての人が,現在そして将来にわたり安心して治療に専心できる病院になってほしいと願っています.
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