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第39回日本小児循環器学会総会会長 山口眞弘
私が兵庫県立こども病院で心臓胸部外科医として仕事を始めてから,すでに26年という長い年月が過ぎ,その間にもう間もなく5,000例を数えようという心臓外科手術を行ってきました.多くの患者さんが経過観察を必要としなくなっておられる一方で,やはりかなり多くの患者さんが今後も経過観察を必要とし,場合によっては数度にわたる手術を必要とされることも少なくはないというのが現状です.最近外来で成人期に達した患者さん(専門的にはキャリーオーバー患児といいます)から,これからどうしたらいいのか,と聞かれることが増えてきました.そうした際に,安心して今後の治療を依頼できる大人の病院が簡単に見つからないことが多く,一方現在のこども病院では成人期の患者さんを受け入れる外来や病棟の設備・スタッフが不十分であるという問題にぶつかります.
先進国の「こども病院」の歴史を見ても,30年を過ぎるとこのようなキャリーオーバー患児の問題が出てきて,何らかの具体的な解決策がたてられてきています.先天性の多くの疾患で,内科・外科の管理ができて,大人になっても安心して外来・入院治療を受けることのできる病院が必要なのです.
兵庫県は日本で 2 番目にこども病院がつくられた県です.先駆者の一人として,この成育医療の問題を社会全体として考えていかなくてはならないと思います.今後の具体的な方策を模索するために今回のシンポジウムを企画し,各方面からこの分野にご経験の豊富な,あるいは当事者である患者さんの代表者の方々をシンポジストしてお招きいたしました.
この度のシンポジウムが,この問題を解決するための一つの足掛かりになればと思っております.会場にお越しの皆さまもご一緒にこの問題を考えていただければ,と思います.
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