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心臓手術後遠隔期の左軸偏位

ご質問

31歳 女性

ご相談させていただきます。
2~3歳の頃に、心室中隔欠損の手術を行いました。(就職前に、手術を行った大学病院で検査をした時には、心室の間と弁に穴が開いていて、綿のようなもので閉じたんだよ。とお聞きしました。)
術後は健康診断のたびに、心電図結果で、完全右脚ブロックとはあったものの、特に心配は要らないとのことで、普通に過ごしてきましたが、4年程前から、完全右脚ブロックと、新しく、左軸偏位という結果が出ました。心室中隔欠損の手術で、術後20年以上たってから心電図に変化がでることがあるのでしょうか?
普段の生活は、疲れているときや、体調が悪いときに胸のあたりが痛むことはありますが、耐えられないほどではありません。
よろしくお願いいたします。



お答え

30年近く前の心臓手術後の心電図の異常所見についてのご質問です。
心室中隔欠損を手術的に閉じるには、心室中隔欠損の場所により、心房あるいは心室、または、肺動脈を切開して、欠損部を確認しながら閉鎖します。手術の時に、心房、心室のどちらを切開して手術をしたかにもよりますが、心房切開ですと、30%程度、心室切開ですと殆どの場合に、術後、右脚ブロックを認めるようになります。電気の伝わる伝導系という部分が損傷したり、時間とともに、線維化が進み、そのような所見となります。多くは、予後良好です。4年程前から、完全右脚ブロックと、新しく、左軸偏位が加わったということですが、年齢がたつとともに、伝導系の線維化が進行し、この様な所見が加わることがあります。この所見自体は心配ないのですが、稀ですが、5%以下くらいの割合で、将来的に、さらに進行して、完全房室ブロックとなることがあります。この場合は、脈拍がおそくなったり、心不全になったりする事があります。ペースメーカーが必要になることもあります。頻度は、非常に低いので、あまり心配する必要はありませんが、定期的な心電図のチェックは、必要です。それから、疲れやすい、眩暈を起こしやすい等という症状にある時は、主治医を受診することが必要です。完全房室ブロックの症状である場合が、あるからです。しかし、定期的に受診をしていれば心配はありません。それから、今の胸の痛むことがあるという症状は、今回の心電図変化とは関係ありません。特に問題の無いことが殆どですが、もし、心配であれば、主治医の先生にご相談ください。
文責:丹羽 公一郎