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心臓手術後のペースメーカーについて

ご質問

29歳 女性

先天性心室中隔欠損症で手術後は何のトラブルもなく、1年前に出産しました。しかし今月行った検診の心電図で完全右脚ブロックに異常があると言われ、再度検査予定です。最悪の場合はペースメーカーを入れるそうですが、その際生活上どんな支障があるのでしょうか? また、このような症状になったのは出産も関係あるのですか?



お答え

ペースメーカーの植え込みに関する基礎知識からまず説明いたします。心臓の右心房には洞結節と呼ばれる自然のペースメーカーがあり、そこで心臓の筋肉を刺激して収縮させるための電気を発生させています。安静時で1分間に60~80回の電気刺激が発生しまず心房全体に拡がり心房が収縮します。電気刺激の一部は房室結節と呼ばれる心房と心室をつなぐ橋を通り、心室側に伝わります。橋の先には右心室へ延びる道路(右脚)と左心室に延びる道路(左脚)に別れ素早く心室全体に電気が伝わり心室が収縮します。左脚はさらに前枝と後枝に分かれます。この電気の発生や伝導のどこかに障害があり、なおかつ脈が遅くなったときに心不全の症状が出現したり突然死の危険がでてくるためにペースメーカーが必要になります。逆に障害があっても心不全の症状がなかったり突然死の危険がなければペースメーカーは必要ありません。
具体的に先天性心疾患の術後で必要になるのは主に術後1週間以上にわたり、完全房室ブロックあるいは高度房室ブロックが続く場合には必ずペースメーカーが必要になります。術直後に完全房室ブロックがあっても回復し、2枝ブロック(右脚ブロックと左脚の片方のブロック)が残存する場合は相対的適応といって、必ずしも必要というわけではありません。
文面からは詳細は分かりませんが、心室中隔欠損の場合は術後右脚ブロックがみられることが良くあります。そのことを検診あたった医師が熟知しているのか、また妊娠出産で初めて右脚ブロックになったのか、術後からずっとあってたまたま検診で言われただけで特に以前から変化がないのかが問題だと思います。以上ことをきちんと知るためには手術をした病院あるいは手術後にしばらくかかっていた病院を定期的に受診し、主治医の先生とよく相談する必要があると思います。もし転居等で受診が難しいのであれば手紙等で現在の状態を伝えて、以前の状態や必要な資料を現在かかりつけの病院に送ってもらうことが必要だと思います。
またペースメーカーにつきましては以下のホームページ等に詳細な情報がありますので参考にしていただければと思います。

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メドトロニック
文責:立野 滋