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ファロー四徴症と心房細動

ご質問

34歳 男性

ファロー四徴症で、昭和48年(4歳)と51年(7歳)に手術をし、経過観察をしながら(薬服用なし)暮らしてきました。そして、27歳で結婚し長女も生まれたのですが、29歳の時に育児・仕事・生活の疲れからか、うっ血性心不全を起こし2週間の入院。又同じ年に右心房細動も起こし、電気ショック治療をしました。その後少しづつ動けるようになり、薬を取替え取替え、疲れや季節の変わり目に起こる動悸に悩まされ今に至っています。現在服用している薬は、タンボコール(朝・昼・夜、各1錠)小児用バファリン(朝・夜、各1)ラシックス(朝、1)アーチスト(朝、半錠)です。
  1. タンボコールは強い薬と聞いていますが、心臓が弱っている時に増量していいのか?
  2. 尿酸値が8.5あると言われているのに、ラシックスを飲んでいていいのか?
  3. 薬はこれからも飲み続けなければならないか?(不整脈剤の副作用で動悸がおきているのではないか?)
  4. 歳をとるにつれ心臓機能も低下していくが、予測できる病状、そしてその対処方法は?
以上の事をお聞きしたいのですが、お忙しいところ申し訳ありませんがどうぞ宜しくお願い致します。
昨年には長男も生まれ、調子のいい時期もあったので、これからの事が不安です。



お答え

先天性心疾患にかかわらず、心臓にもともと異常がある場合に出現した不整脈の治療につきましては、心臓の機能低下の程度により様々ですので、現在の心臓の機能がわかりませんので、正確なお答えはできません。まずそのことをご理解いただいた上で下記を参考にしていただければ幸いです。
ファロー四徴症の術後遠隔期では、左室の心機能や遺残病変(肺動脈弁の狭窄、逆流、心室中隔欠損の残存)などが心不全の進行や不整脈の発生に大きく関わってきます。また正常の人でも加齢やストレス、疲労、飲酒は心房細動の発症に関係しています。これらを総合的にみて薬物(心不全と不整脈に対して)、手術(遺残病変に対する手術と心房細動にたいするメイズ手術)、カテーテルアブレーション(心房細動の一部の患者さん)、カテーテルアブレーションとペースメーカーなどの治療を選択していきます。どの方法でも作用と副作用あるいは合併症は表裏一体となっていて、100%安心して行えるというものは無いと思います。作用と副作用を天秤にかけながら体にあったよりよい治療を選んでいくことが重要です。この点は、主治医と良く相談してください。

質問1 多くの不整脈の薬と同様にタンボコールにも心臓の収縮を抑制する作用が知られています。心臓の収縮がとても悪い場合は使用を控えますが、ある程度収縮が保たれていれば収縮能の様子を見ながら内服可能です。収縮を抑制せずにより強力な薬(アンカロンなど)もありますが、当然ながら副作用の心配も多くなります。

質問2 ラシックスは利尿剤の中でもっとも一般的に使用される薬です。尿酸値が高く痛風を発症する場合は痛風の治療をしながら使用するか(或いは尿酸排泄薬を併用するか)、他の薬剤に変更する場合もあります。
ただ、利尿剤使用による痛風の発症は尿酸値が高いわりに、比較的少ないとされています。

質問3 前述の通り、心臓の働きなどの状態が全くわからないので、このことは主治医によく聞いてみてください。また動悸が心房細動によって出現している症状か、あるいは他の原因で出現しているのか、現在の薬の効果がどの程度なのか(飲む前より発作の頻度や時間が減少したかどうか)がよくわかりません。このこともよくご相談した方がいいでしょう。

質問4 心臓に負担をかける生活の持続、狭心症・心筋梗塞など動脈硬化性病変の併発(ファロー四徴症ではこの可能性は一般の人より低いとされていますが)により心臓の機能も早く悪化し、様々な不整脈が発生することは予想できます。食事、生活習慣などに気をつけ、前述のごとく必要があれば手術、また心臓の機能を悪化させない治療(ラシックスやアーチストがそれにあたります)により心臓の負担を軽くしていくことが大事です。再生医療に代表されますが、近い将来はさらによい対処法が開発されると思います。
文責:立野 滋