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心室中隔欠損症と妊娠・出産

ご質問

27歳 女性

私は3ヶ月検診のとき心雑音があると言われたらしく、しかしそのときは、穴が小さいため99%自然治癒する、ということだったようです。しかし中学の頃、心雑音で引っかかり、検査したところ心室中隔欠損と言われ、それ以来2年に1度くらい定期健診をしています。今のところ、手術もしない方向です。
私もそろそろ結婚を、と思っているのですが、妊娠出産は早めに、と主治医の先生に昔言われた記憶があります。やはり普通の人より、心臓に負担がかかるためでしょうか?30歳過ぎての出産は危険でしょうか?将来計画を立てるためにも、確認が必要だと思い、質問させていただきました。宜しくお願い致します。



お答え

先天性の心臓病と診断されながら成人となり、最近は結婚・出産を意識するようになって、ご自身の体調や将来に対する漠然とした不安を抱くようになった、ということのようですね。以下にお答え致します。

心室中隔欠損症は、心室中隔の一部に先天的な欠損孔(穴)があり、それを介して血液の短絡を生じる先天性心疾患(心奇形)です。ご質問の方はほとんど無症状であったことより小欠損例と考えられます。しかし、妊娠出産は早めにと言われたのであれば、中等度欠損例の可能性が無いではありません。疾患の程度によって予後は異なります。妊娠出産は普通の人より心臓に負担がかかるのか、30歳過ぎての出産は危険か、などのご質問ですが、重症度などの情報が無くてはお答えできません。心臓検診の際には、ご自身の疾患の重症度、将来的な見通しなどを、担当医に再確認することをおすすめします。また、妊娠・分娩に関しては、妊娠する前から循環器担当医によく相談し、産婦人科とも医療情報を共有し、安心で安全なお産を迎えていただきたいと思います。

前置きが長くなりました。将来的な見通し、特に妊娠・分娩に関して、具体的にご説明致します。
小欠損例では、ほとんど無症状で一生を終えることが可能です。妊娠・出産にもほとんど支障は無く、正常経腟分娩が可能です。一方、中等度欠損例では、加齢や妊娠をきっかけとして、肺高血圧症や心不全を併発することもあります。妊娠・出産は可能ですが、より慎重な対応が必要となります。
また分娩時に心内膜炎を合併する(分娩の際などに、細菌が血液中に入り欠損部周辺に付着繁殖し、心臓内膜に重症感染を起こすこと)ことは稀ですが、予防のために抗生剤を使用することが一般的です。
先天性心疾患の新生児が生まれる確率は全生産児の約1%ですが、母体に先天性心疾患があれば、その確率は約3-5%と少し上昇することが知られています。
最後になりますが、今後もきちんと定期検診を受けること、ご家族、循環器担当医、産婦人科医などとよく相談することを、改めておすすめ致します。
文責:川副 泰隆