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心室中隔欠損症・大動脈弁逸脱と妊娠

ご質問

27歳 女性

生後3ヶ月で心室中隔欠損症と診断されました。それと同時に大動脈弁狭窄症も診断受けて5歳の時に心室中隔欠損症の大きな穴をふさいで大動脈の弁をあげる手術を受けました。今は定期的に検査と診察は受けています。子供がほしいのですが生んでも大丈夫でしょうか?



お答え

心室中隔欠損症に大動脈弁「狭窄症」が合併したということですが、合併したのは大動脈弁「逸脱症」ではないかと思います。そういう前提でお答えします。
心室中隔欠損症は、左右の心室の間の壁(心室中隔)に穴があいている、先天的な疾患です。その穴が大動脈弁のすぐ近くにある時には、大動脈弁が欠損孔に引き込まれるため(大動脈弁逸脱症)、見かけ上は大きな穴が小さくなったような状態となります。しかし、更に病状が進むと、通常は三枚の弁尖で構成される大動脈弁どうしのずれを生じ、大動脈弁閉鎖不全の状態となることがあります。大動脈弁逸脱症の状態が軽ければ、手術は心室中隔欠損症の閉鎖術だけを行います。この場合、術後の心臓の状態も良好であることが多いため、大きな合併症が無く、心機能が良好であれば、妊娠・出産の危険性は少ないと言えます。妊娠出産時は心臓に負担がかかりますが、この対応も、一般の人と大きな違いはありません。手術後も心室中隔欠損症の短絡が残っている場合や、大動脈閉鎖不全がある場合などには、その程度に応じた管理が必要です。さらに、分娩時の感染性心内膜炎予防のために、抗生剤を予防的に使用することが推奨されます。普通分娩が出来ますが、赤ちゃんは、心臓病が合併する確率が、一般(1-2%程度)より少し高く、5%程度です。現在の心臓の状態をよく確認して、担当医と今後の見通しについて相談して、安全なお産を迎えていただきたいと思います。
なお、合併するのが、質問者の方の記載通りの、大動脈弁「狭窄症」であれば、その疾患の重症度に応じた注意点が必要となります。重症なら、妊娠・出産が危険なこともあります。あらかじめ精密検査をして、妊娠前に手術を検討しなければならないこともあります。
いずれにしましても、心臓の検診を継続して、担当医とよく相談することをおすすめします。
文責:川副 泰隆