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徐脈とペースメーカー

ご質問

28歳 女性

ダウン症で心室中隔欠損症の手術を4歳で受けた子どもについての質問です。術後1mm位の穴が再開通したといわれ、13歳までフォロアップを受け、穴も自然に塞がりました。水泳やランニングなど毎週運動をしています。8月中旬に先天性白内障手術のための術前検診を受けたところ、心電図検査で房室ブロックにより1分間40台の徐脈を指摘され、今後の検査としてホルター心電図検査を、またその結果によってはペースメーカーを入れることも考えるよう言われました。尚、2年前の心電図では50台の徐脈で心肥大もありましたが運動制限は受けませんでした。今後、スポーツを楽しんだり、バラエティ豊かな生活を送るためには、どのように対処することが一番いい方法かお教えいただきたく、お願いいたします。



お答え

ペースメーカー治療の目的は徐脈による心不全や運動機能低下の改善と突然死の予防の二つがあります。対象となる不整脈は自分のペースメーカーの機能低下による洞不全症候群と、心房と心室の電気的なつながりが低下する房室ブロックがあります。房室ブロックには程度によりI度からIII度に分類されています。それぞれの不整脈に対してペースメーカーを植え込んだほうがいいかどうかを判断する基準があります。
ペースメーカーを植え込む基準の概略としては、心拍数にかかわらず徐脈(脈が遅いこと)による症状がある場合、心機能低下がある場合、心拡大がある場合、頻拍症も合併し脈を遅くする薬が必要な場合は植え込みが必要です。また症状や心機能低下が無くとも心拍数が40/分未満、3秒以上の心静止があると適応になります。先天性心疾患を合併している場合は心機能、遺残病変などもあるため、これらの基準より早めに植え込むことが必要な場合もあります。
ご質問のなかの心肥大が徐脈によるもので、心拍数も年々遅くなってきているのであれば注意深い観察は不可欠で、やはりペースメーカー治療も念頭に置かなければならないと思います。また気をつけなければならないのは、急に脈が遅くなると症状があるのですが、生まれつき、あるいはとてもゆっくり脈が遅くなる方ですとあまり症状に気づかず、ペースメーカーを植え込んでみると、とても体が軽くなったと感じる方もいらっしゃることです。
ペースメーカーを植え込んでもスポーツは十分出来ますし、脈が正常化する分むしろ楽に運動できる様になることが期待されます。
ホルターの結果と合わせて、主治医の先生と良くご相談下さい。
文責:立野 滋