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術後の収縮性心膜炎について

ご質問

17歳 男性

生まれつき心室中隔欠損があり、弁の近くに穴があいておりこのまま放置すると弁が変形する恐れがあると言われ昨年暮れに手術しました。しかし手術後、欠損は治り退院しましたがその後、心膜に水がたまってきていることがわかり滲出性収縮性心膜炎と言われました。お腹に穴を開けチューブを入れ、直接水を抜き出しほとんど出なくなった2週間後にチューブをはずしました。まだ少しずつ水は増えている様で利尿剤とアスピリンと心臓を助ける薬を飲みながら安静を余儀なくされています。心膜は全体に硬くなってきており手術しか方法がないといわれました。心室中核欠損の退院後、一切のお薬はもらっておらず、術後にこのような症状が起こりえると想像していただけることは無理だったのでしょうか。心膜炎の術後は完治するのでしょうか、リスクはどうなのでしょうか。手術をしないで、治療の方法はないのでしょうか。手術をしたことにより、また別の心臓部位がおかされたりはしないかと不安です。



お答え

心室中隔欠損とは限らず、心臓を切開して手術を行う場合、術後少したってから、心膜炎(心臓と心臓を包む膜─心膜─の間に水がたまること)はあります。一般的には、利尿剤とアスピリン(心臓を助ける薬)或いはホルモン剤で、良くなることが殆どです。しかし、お尋ねのような、心膜が全体に硬くなる収縮性心膜炎は非常に少なく(特に高校生では)、この状態となることを手術前に予測することは、難しいと思います。また原因がはっきりしない突発性のものも多いことから、たまたま合併してしまった可能性も否定できません。 心膜の炎症で水が貯まるのですが、それを繰り返している間に、だんだん心膜が固くなり収縮性心膜炎になったのではないでしょうか。ただ術後どれくらい経過しているか分かりませんし、まだ水が貯まる段階でも収縮性心膜炎になってしまっているのかは判断できません。収縮性心膜炎は心膜が固くなり心臓が十分に拡張できないために血液が心臓に戻りにくくなる病気です。血液が心臓に十分貯まらないために送り出すことも制限され心不全を起こしてきます。治療法は心膜を切除する必要がありますが、手術のリスク、術後の治癒の可能性については、収縮性心膜炎が生じた原因、収縮性心膜炎の程度などに左右されますので、受け持ちの先生に良く聞いてみてください。一般的にはそれほどリスクが高い手術ではなく、心膜除去後の心臓障害ということもないと思います。
文責:丹羽 公一郎