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修正大血管転位症とチアノ-ゼについて

ご質問

23歳 女性

こんにちは。メールでは大変失礼だとは思いましたが、どうしてもお聞きしたいことがあるので送らせて頂きます。
病 名
修正大血管転位症・心室中隔欠損・肺動脈閉鎖症・発作性上質性頻脈・赤血球増多症・側湾症です。
手術暦
生後5・6ヶ月に、右=B-T短絡手術、左=中央短絡手術をそれぞれ、自分と母の血管を使って行いました。(しか し、現在は、この短絡血管は閉鎖しているそうです。肺動脈に関して、主要体肺動脈短絡血管は確認できるが肺動脈 の本幹はみられないそうです)現在は、3ヶ月に一度定期健診に行きます。(小児循環器です。)
  1. 20歳を過ぎた頃から、息切れ・チアノーゼが酷くなったきがします。主治医は、根治手術には無理だと言われました。やはり 、根治手術はできないのでしょうか?根治手術の他に体を少しでも楽にする方法はありませんか?(最近、少しの運動で肺・心臓が痛い時があります。特に、お風呂上りは痛みが強いです。)
  2. インターネットで調べていたら、修正大血管転位症の解剖学的修復として、ダブルスイッチ手術(DSO)があるようなのですが、私の場合この手術が適応できるでしょうか?
  3. 最近、座っているときなどに、急に眩暈がすることがあります。主治医は、チアノーゼが酷いのと、赤血球増多症が原因だと言いました。眩暈を軽減する方法はなにかありませんか?
  4. 修正大血管転位症には、進行性の房室ブロックが合併することがあるそうですが、将来的に進行性房室ブロックになる可能性はありますか?
  5. 側湾症がかなり酷いので手術をしたいの ですが、主治医に止められました。(根治手術のできない患者に側湾症の手術は無理だと言われました。)このまま 側湾症を放置すると、今以上に肺・心臓に負担がかかったり、いろんなところに障害が生じると整形外科の医師に言われたので将来的なことを考えると手術をしたいのですがやはり無理なのでしょうか?
情報が不十分でお答えしにくいとは思いますが、宜しくお願いします。同じ病院内では、なかなかセカンドオピニヨンが得にくいので今回お聞き しました。



お答え

  1. 根治術について:
    いわゆる根治手術は、肺動脈の発育の程度によります。計測方法は一つではありませんが、肺動脈の発育が悪い場合は一般的には手術は困難です。手術の危険率が非常に高くなります。また、推測できる範囲では一度の手術で治せることは無いと思います。年齢が進むとともに、息切れ・チアノーゼが悪化することがあります。チアノーゼに伴う合併症を伴うこともあります(これらについては管理指針 <成人チアノ-ゼ性心疾患患者の問題点と管理> に記載してありますが、専門的で難しいかもしれません。ただ、これらの事実が分かってきているので、早めの対応が可能です。従って、合併症を少なくすることが出来ます。)また、稀にチアノーゼが高度のため、胸痛を伴うことがありますが、多くは筋肉痛などの心臓以外の痛みのことが多いものです。
  2. ダブルスイッチ手術について:
    これも肺動脈の発育が十分でないと出来ません。今の状態で適応にはなりません。
  3. 眩暈について:
    主治医の先生の仰る通りです。長く座っていたり、急に起きあがったり、長風呂、長いシャワーなどは、血管を広げるため、血圧を下げます。このため、チアノーゼが強くなり、眩暈を伴うことがあります。このことは夏場には強くなります。症状を軽減するには、これらの要因を除くことと、風呂上がりなどに、膝から下に水をかける習慣、また、顔を冷たい水で洗うことなどによりある程度予防することが可能です。要するに血管を収縮させ血圧の低下を防ぐ方法です。
  4. 房室ブロックについて:
    可能性はありますが、頻度は高くありません。定期的に心電図をとっていれば早めに把握できます。
  5. 側湾症について:
    心臓病の人は側湾症を合併することが少なくありません。特に、チアノーゼ型で、思春期成人期の女性に少なくありません。一方、心臓とは限らず、外科手術は一般の人と比べ、危険率が高くなります。手術麻酔合併症の可能性が高 いので、かなり経験のある麻酔科医、小児循環器医の管理が必要です。従って、チアノーゼが高度の人の場合は、絶対的な適応のある手術以外は奨めません。側湾症は今以上に肺・心臓に負担がかかったり、いろんなところに障害が生じ ることはありますが、(診ていないので分かりませんが)、多くの場合、チアノーゼの高度の人は、普通の人のように運動をしたり、早く歩いたりしませんので、多くの負担を及ぼすことはありません。

文責:丹羽 公一郎