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エプスタイン奇形

ご質問

39歳 男性

昭和47年(9歳)エプスタイン奇形と心房中隔欠損症の診断で、地元の病院でHardy手術と閉鎖術を行う。
平成5年(30歳)再手術を勧められ地元の病院でCarpentier法で手術を行う。この時、重症な心不全に陥り2週間ICUにて治療する。(院内感染MRSAにも感染)
そして現在(39歳)今まで自覚症状を感じたことがなっかったのですが、8月下旬頃、階段を2階に上がるだけで立ち眩みを感じました。それから2日後に一瞬気を失い不整脈と血圧低下で一週間入院しました。今では少し早く歩いたり、重いもの持ったりすると動悸がし息苦しさを感じます。主治医の先生が言うには、「エプスタイン病の自覚症状がでてきたのではないか。根本的な治療としては、弁置換しかないだろう」とのことですが、3回目の手術はリスクが高くなるということで手術をあまり勧めません。このままの状態ですと何もできません。今の症状が良くなることはないんでしょうか。また手術を行うとしたらかなり危険なんでしょうか。アドバイスをよろしくお願いします。現在、逆流3度 アンカロンを服用



お答え

エプスタイン奇形はご存じのように、三尖弁の下方偏位と三尖弁の変形が主体の病気で、三尖弁の逆流と菲薄化した三尖弁より右房側にある右心室の拡大が問題になります。三尖弁逆流と右心房の拡大の程度は様々ですので、人により新生児期、小児期、成人期に右心不全が顕在化します。また成人期に入りますと右心房、右心室の負担から不整脈が発生しやすくなります。症状、病態の進行により手術が必要になりますが、手術法についても三尖弁の下方編位の程度、三尖弁の変形の程度が異なりますので、様々な手術法があります。最近はCarpentier法,Danielson法が主体になっていますが、弁の変形が高度であれば人工弁を使用する方法、また右心室の機能に問題があれば静脈血を直接肺へ流す手術方法もあります。手術方法に関しましては個々の患者さんで異なります。ほかに不整脈に関しましては、エプスタイン奇形によく見られる心房細動に対しては手術の時に不整脈に対しても起こりにくくする手術であるメイズ手術というものもあります。
次に手術に伴う危険性についてですが、再々手術であることは確かにリスクを高めるものであると思います。ただ何故高いのかが問題と思います。2回目の手術において重度の心不全に陥ったということですが、そのときに右心室ないし、左心室の機能が低下しているのであれば、確かに前回同様に危険な状態に陥ることが危惧されます。現在の状況がご本人にとってもつらい状況であるのは理解できます。まず現在の状況が心不全が主体であるか、不整脈が主体であるか、あるいは両方であるのかを整理していただき、その上で手術をした場合、しない場合のメリット、デメリットをお聞きになり判断されることが大事かと思います。エプスタイン奇形の場合は、手術によりすべての人が症状が消失し元気になるという疾患ではないので、主治医とよく相談することが大事ですし、必要であればセカンドオピニオンを得るため、資料をお借りし他の施設においての意見を聞くのも重要と思います。
文責:立野 滋