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合併心奇形のない修正大血管転位症について

ご質問

35歳 女性

はじめまして。現在35歳、二人の子供(4歳と1歳)の母親です。
小学校2年生のときにカテーテル検査をし、修正大血管転位症との診断を受けました。その後、経過観察で1年に1回検査をしていたのですが(レントゲンと心電図)中学3年生を最後に検査に行かなくなってしまいました。
両親も私も心臓に病気を持っているという自覚がなく、高校生のときはクラシックバレーを大学のときはチアリーダーを行い、おまけに出産も2回しました(2回目は2時間いきんだ挙句に、帝王切開)。今まで、動機、息切れなど何も症状を感じたことはありません。ただTVドラマで「修正大血管は手術しなければ・・・」という台詞を耳にして依頼、「私の病気は手術しなければいけないのか???」とびっくりしたと同時に不安な日々をすごしていました。
この度、人間ドックにて心電図の異常があり、精密検査として心エコーを受けました。ただいま、その結果待ちなのですが、何かあったら・・・・と思うと不安でなりません。ただ今現在も普通に元気で、これといった症状は見当たりません。手術をした方がいいのでしょうか? その場合はどうやって病院を探したら良いのでしょうか?



お答え

修正大血管転位とは、本来の右心室の位置に左室が、左室の位置に右室がある心臓病です。全身から戻る体静脈は右心房、左心室経由で、肺動脈に駆出され、肺静脈は左心房、右室を経由し大動脈に連絡します。多くは、合併心奇形(心室中隔欠損や肺動脈狭窄)を伴うのですが、多分、これまでの活発に活動し、特に問題なく出産も経過されたことなどからは、合併奇形が無いのだと思います。この仮定の下に、書いてみます。

全身の血液循環(体循環)は形態的右室が担います。加齢とともに右室の逆流を防ぐ、三尖弁に閉鎖不全を起こしたり、心室機能低下を認め、心不全が出現することがあります。三尖弁閉鎖不全が強い場合は、三尖弁置換手術を行うことになります。60歳をすぎても、無症状で特に問題なく生活できることもありますが、心不全をともなうようになることも、少なくありません。45歳では25%に心不全を認めるというデータがあります。また、脈が遅くなり、ペースメーカを植込むこともあります。したがって、この病気の人は、右室機能、三尖弁機能、不整脈などを中心に、定期的に経過を見ていくことが大切です。これらの進行を遅くする治療薬が開発されてきていますし、もし将来的に手術を必要とする場合でも、心臓の機能の良い、比較的早期に手術を行うことで、心臓の機能を保つことができ、手術後も、良い状態を維持できます。
このため、特に中年期以降は、定期的な経過観察をうけることは大切です。手術、経過観察などについては、成人先天性心疾患ホームページの研究会プログラムを参考にして頂くと、成人先天性心疾患の経過をみている病院を見つけられると思います。
文責:丹羽 公一郎