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高齢者の心房中隔欠損症の手術

ご質問

64歳 女性

64歳になる母の事で相談いたします。
心房中隔欠損症、エコー検査で穴は2.5cm、肺への血流は3/1の重症と診断され、手術を勧められました。若い頃は特に異常なく生活し、出産。しかし、第二子妊娠時に医師より、心臓病を指摘されたそうです。健康診断などで心肥大、不整脈を指摘されつつも特に、診察、フォローはしていませんでした。が、今月中頃風邪をひいたことから、体調がおもわしくなく(心不全なのではないかと思いますが)循環器を受診しましたところ、はじめに書きました診断となりました。5年前にも同様に診断されていたらしいのですが、詳しい検査等することなく現在にいたっています。
家族としては、はたして、現状で母の年齢での手術がその後の生活にプラスになるのか、リスクがおおきいのではないのか、と考えてしまいます。医師は、手術すること自体が困難になってしまうまえに行なっては?とおっしゃっていますが・・・。肺高血圧も合併してるようです。
今は、ほとんど以前と同じ日常生活をおくれていますが、階段での息切れは強い様子です。また、心臓への負担を軽減するために、利尿剤が処方されています。



お答え

心房中隔欠損では、40歳を越えてから、心不全症状が強くなったり、不整脈が多くなったりして手術をする人は少なくありません。60歳代でも、多くの人が手術を受けています。しかし、症状に乏しい場合は、内科的な管理とする事も多いと思います。症状を認める場合に、内科的に経過をみた場合(心不全治療)と手術をした場合を比較すると、余命に大きな違いはありません。しかし、日常生活の程度は明らかに手術後の方が良くなります。息切れなどは、かなり軽くなります。不整脈の発生頻度に差がありませんが、不整脈を治療しやすくなります。他の全身的な合併症がない場合は、手術の危険率は、こどもの手術と大きな違いはありません。術後、6ヶ月くらいは、心不全が持続することが少なくありません。肺高血圧が高度の場合は、手術は非常に難しくなります。軽度であれば、影響は殆どありません。カテーテルで閉鎖する治療もありますが、日本ではまだ認可されていません。
いずれにせよ、手術の危険、術後経過などについて主治医の先生と良く相談されることが大切です。
文責:丹羽 公一郎