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完全大血管転位症の妊娠・出産について

ご質問

29歳 女性

初めまして。私は先天性の大血管転位症と診断され6歳の時に都内の病院にて手術を行いました。20歳までは普通の生活をしており20歳を過ぎた頃に不整脈が度々起きる様になりカテーテルやアブレーション治療を行ってきました。今では色々な薬などを服用しているのですが私にも出産をする可能性があるのでしょうか?また私と同じ病気で出産した例などがありましたら是非、聞かせてもらえると凄く助かります。宜しくお願いします。



お答え

まず、先天性心疾患では、一部の疾患を除くと、多くの場合、妊娠出産が可能です。大血管転位でも、修復術を受けており、チアノーゼがなく、概ね、日常の生活を不自由なく行える場合は、十分に妊娠出産が可能です。
ただ、現在の心機能の程度、人工血管(使っていれば)の働きの程度、人工弁(使っていれば)、不整脈のタイプ、頻度、そして投薬の内容などが主な妊娠前の問題です。人工血管、人工弁の働きが、問題で、心臓の動きに影響を与えている場合は、再手術、カテーテルインターベンションを含む処置を行った後に妊娠する方が良い場合があります。その方が、妊娠出産だけではなく、出産後の育児も十分に行えるからです。
これらの問題が無い場合は、妊娠出産中の問題になります。妊娠出産に伴う合併症で問題な点は、心不全、不整脈などを伴うかどうかです。心不全、不整脈等のために、薬剤の継続、投与を行う場合が、ありますが、胎児、授乳時に与える影響を考え、薬剤の選択を行います。
大血管転位は、大きく2つの疾患に分かれます。完全大血管転位と修正大血管転位です。いずれも修復後は妊娠出産が可能ですが、注意点は少し異なります。完全大血管転位と修正大血管転位の方の妊娠は、すでに多くの報告、経験があります。上に述べた、不整脈や心不全に注意をしながら、出産することが可能です。術後に心不全が継続する可能性についても考慮します。基本的に、心臓の働きが非常に悪く、日常の活動にも影響を与えている場合以外は、妊娠出産は可能です。しかし、妊娠出産を考える場合、主治医の先生とよく相談して、心臓の状態、投与薬剤などの十分十分な評価を受けておくことが大切です。
また、このwebの担当者を中心に執筆しました、先天性心疾患の方のための妊娠出産ガイドブック(中央法規出版)にも、完全大血管転位の記述をしてあります。
文責:丹羽 公一郎