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ラステリ術後、導管の狭窄に対する再手術について

ご質問

32歳 女性

私の病名は、動脈管開存症、ファロー四徴症術後、肺高血圧、キャッチ22(22q11欠損)です。
1才にブレロック術、六歳で根治のラステリ術(右心室と肺動脈を人工血管である導管でつなぐ手術)をしましたが、肺高血圧が残りました。今年の11月のカテーテル検査の結果、主肺動脈圧:37、左肺動脈圧:32、右肺動脈圧;17、左心室圧:121、右心室圧:124となりました。病名は、ファロー四徴症、術後肺動脈狭窄、キャッチ22だそうです。肺高血圧は改善されていましたが、人工血管の先が老廃物で詰まっており、左は胃動脈の狭窄部は著明に狭窄で、4.3ミリだそうです。右心室の拡大ありで特に右室流出路は瘤状に拡大し、収縮不良となっております。
再手術の内容は、右心室圧が高値であり、かつ剥離した偽性心内膜による塞栓の可能性があるため、早急に手術を行う。左右肺動脈を切開して交通させ、ダクロン製の心外導管の前面を摘除、心外導管周囲の自己組織を残してゴアテックス製弁付き導管をあてる。とゆう方針だそうですが、手術をしなければ助からないと言われました。「もしこのまま手術をしないでどのぐらいまで生きられますか」と聞いたをころ、「命の保障はない」と言われ、「心不全を起こしてからだと手術が出来ない」事、「今は期外収縮、単独ですんでるが、いつ頻脈が起きて急に心臓が止まっても不思議ではない」事、「安静にして右心室の圧力が12だから、おそらく本の仕事をしている時は150ぐらいだろう」、「よく今まで持っていた」と外科のドクターも相当恐がっていたそうで、突然の「余命」の宣告でとまどっています。
本当は今月空いている日があるので今月にでも、手術をしてもらいたかったらしいのですが、仕事の事もあるだろうからと、来年の1月にラステリーの再手術が決まりました。私自身、仕事をしている時は、本の仕事で重労働ですので、確かに何年か前からきつく、仕事をしている時はチアノーゼも段々ひどくなり、階段も一気に上ることは出来なくなりました。期外収縮や、圧迫感、痛みも我慢出来ない時もありますが、頻脈はたまに忘れた頃に少し出るぐらいでした。
普通に生活している場合、本当に今、「余命なし」の状態なのでしょうか?未だに主治医の話していたことが信じられません。
再手術のリスクは3パーセントですが、再手術をすれば、違いがじょじょに分かるとも言われましたが、本当なのでしょうか?
再手術をすればどのぐらいまで生きられるのでしょうか?
それと、また手術をする可能性も出てくるのでしょうか?
長くなりましたが、お忙しいところ、申し訳ないですが、よろしくお願いします。



お答え

ラステリ手術後の再手術についてのおはなしですね。6歳時にラステリ手術を施行されたとのことですが、この手術に関しては将来導管が狭窄することによる再手術は必至と考えてよいと思います(そういう意味では"根治"の手術とは言い難いですね)。もちろん再手術にならないようにいろいろな工夫が今でも考慮されておりますので再手術までの期間は長くなってはいるものの、小児期に施行されたラステリ手術であれば導管交換が必要となる時期だと思います。
肺循環はとても流れやすいので、心臓に病気がない状態での右心室の血圧は20-30台で、右心室は、高い血圧のかかる左心室とはそもそも構造が異なっており高い圧を維持するようにはできておりません。そこに現在では124という左心室と同じ程度の血圧がかかっている訳ですから短期的には耐えることができましょうが、長期的には右心室はだんだん痛んできます。右心室が痛んできますと心不全や危険な不整脈が生じてきます。心不全や危険な不整脈が生じてしまうほど右心室が痛んでしまいますと、再手術を行ったとしても心不全や不整脈は改善しないという可能性もでてきます。つまり再手術の時期としては、自覚症状が強くでてくるようになってしまってからでは遅いということになります。
あなたの場合は少しずつ自覚症状が出てきているようですが、心不全は生じておらず危険な不整脈も出現してはいないということですね。それであれば右心室が取り返しがつかなくなるほど痛んでしまう前に導管狭窄が見つかったということになりますので、ちょうどよいタイミングで手術を勧められたと解釈してよいのではないかと思います。ここであまり自覚症状が強くないので手術を待つというのは上述のように手遅れになってしまう可能性があり、せっかく今回カテーテル検査を行ったのにもったいないと思います。
今回、導管狭窄に対しての再手術をしても、将来的にはまた導管が狭窄して再手術という可能性はもちろんありますが、最近欧米ではカテーテル治療で肺動脈弁の位置に弁付きのステントを留置するという治療が行われておりますので、次の導管交換時期にはそういった治療で対応できるようになっているかもしれません。
文責:村上智明