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アイゼンメンゲル症候群の咳嗽について

ご質問

49歳 男性

心室中隔欠損症(VSD)未手術で現在まで経過していて、昨年2月のエコーでの測定で、肺動脈圧80~120のアイゼンメンゲル化の進んでいる状態ですが、3~4年前から冬季に咳が続き、外に出られない状態が続いていました。今年も同様に咳が続き、寒冷刺激による咳と思い、安静にしていましたが、暖かくなっても咳が止まらず、少し動いても(朝起きて、着替えるだけでも)咳き込み、咳が続き、%SpO2値が70を切る状態で動けなくなります。ただ、安静時には、多少倦怠感があるぐらいで、%SpO2値も82、脈拍65程度で、心不全の自覚症状はありませんでした。そのため診てもらったところ、ヘモグロビン値が20.8と高い程度で、浮腫もほとんどなく(多少体重の増加あり)、胸写でも特段の変化がないとのことで、「心不全からの咳だろうが__」と、200ccの瀉血と、電解質(ソリタ+気管支拡張剤)の点滴を受けて帰りました。しかしながら、翌日は咳は少し治まっても、また同様の状態となり、主治医も対処方法がないのか、処置しあぐねているようにもあります。
以上のような状態ですが、何かよい対処法はありませんか。また、これからどのように症状が進んでくるか、これからの症状の進捗状況を教えていただきたいたいと思います。よろしくお願いします。



お答え

アイゼンメンゲル症候群が進行した場合は、ホームページに記載しましたように、低酸素血症(チアノーゼ)により全身の系統的合併症を生じてくることがあります。ただ、安静時の%SpO2値が82%ということは、アイゼンメンゲル症候群が進行した状態ではありません。従って、運動時の息切れ、頭痛などの症状等をのぞくと咳以外に大きな症状はないかもしれません。今後、喀血、胆石、痛風、蛋白尿等が生じてくる可能性はあります。
さて、咳ですが、可能性ということからいえば、多くの原因が考えられます。肺内出血、肺の感染、寒冷時の反応(チアノーゼ型疾患では多い)、薬剤によるもの(一部の血管拡張剤で見られます)、慢性気管支炎、心不全等がアイゼンメンゲル症候群に合併することがあります。ただ、アイゼンメンゲル症候群の患者さんに見られる咳はかなり長引くことが多いのも事実です(原因は不明)。胸写で変化がないので、出血、感染などは否定的です。この場合は、強い鎮咳剤などで咳を押さえることが一般的です。心不全に基づくならば、心不全の治療を行うことになります。
文責:丹羽 公一郎