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フォンタン手術後遠隔期に発生した合併症の治療

ご質問

23歳 男性

私は現在大学院生ですが三尖弁閉鎖症で3歳でブレロック、6歳でフォンタンの手術をしました。術後C型肝炎になりインターフェロンで押さえ込んではいますが完全に消滅したのではないそうです。最近顔にむくみや足にむくみが出始めてチアノーゼがでています。心房細動や不整脈があると言われているのですが生活上で注意は必要でしょうか。右心房に血栓がある可能性があるといわれてMRIをした結果大きな血栓があることがわかりました。今現在かなり足が浮腫んでいます。どうしたらよいかおしえてください。



お答え

フォンタン型手術は三尖弁閉鎖症、単心室症などの患者さんに行われる手術で、全身から戻ってきた血液を、心室を経由せずに直接肺動脈に送る手術です。従来の手術方法(いわゆるフォンタン手術)は右心房と肺動脈を直接つなぐ手術方法ですが、右心室ではなく筋肉の十分でない右心房が肺動脈に血液を送るために右心房の血圧が高まり、長期間経過す ると右心房が大きくなります。その結果右心房の心筋に障害をおこし心房細動などの不整脈が出現します。また大きくなった右心房内では血液の流れも悪くな りますので、血液が固まってしまったり、静脈血の心臓への戻りが悪くなるために体のむくみも出現することがあります。とくに不整脈を合併すると心臓の機能が落ちますのでむくみも強くなります。
そこで最近は、最初から、右心房をバイパスするような術式であるTCPC術(心房でトンネルを造る方法と人工血管を用いる方法があります)を行う施設も多くなりました。
福岡市立こども病院・感染症センター心臓血管外科 > 単心室症とフォンタン型
従来の方法のフォンタン手術をされた方の中で、右心房が大きくなり不整脈や心不全が出てきた場合には、このTCPC術に変更することが検討されます。またTCPC 術に加えて不整脈の発生を抑える手術やペースメーカー治療も併用されることがあります。

ただもともと重度の心臓病ですので、手術の適応や時期については慎重に検討されなければなりません。たとえば右心房内の血液の固まりが新しい物であれ ば、カテーテル検査などで崩れて肺動脈などに詰まってしまうような可能性も考えなければなりませんので、抗凝固療法をしながら血液の固まりが硬くなり器質化するのを待つ場合もあります。

ご相談の内容からは内服している薬、主治医の先生の評価、治療方針などの詳細な情報がありませんので、TCPC術がベストであるかは判断できません。 一般的な治療法をご紹介させて頂きました。主治医の先生とよくご相談なさってください。
文責:立野 滋