HOME > FAQ > 肺動脈狭窄症の予後と大動脈弁閉鎖不全症

肺動脈狭窄症の予後と大動脈弁閉鎖不全症

ご質問

27歳 男性

先日肺動脈弁狭窄症の予後について質問した者です。実は、掲載後すぐに検診を受けたところ予後は良好で、右心室肥大も前回以上にすっきりとしていました。少し安心しました。しかし、ひとつ問題がありました。主治医は問題ないと繰り返していましたが、心エコーをしているとき、大動脈に逆流が見つかったのです。ほとんど軽微なものらしく、激しい運動をしても問題ないし、気にするレベルではないと言われました。しかし、既往歴が既往歴だけに気になります。いろいろとホームページを見ておりまして、「エコーの性能が向上したため、ほとんど病的でない逆流が見つかることもあるが、問題ないケースもある」との記載があったのですが、本当にそういうこともあるのでしょうか。
そこで質問です。答えられる範囲で結構ですので、ご回答をいただけると幸いです。
  1. 弁に異常がない健康な人でも逆流することがあるのでしょうか?
  2. 体調の影響で一時的に逆流することもありますか。
  3. 大動脈の逆流は今後進行することがありますか。進行を防ぐために日常生活で気をつけることはありますか。
  4. このような「軽微」と診断していた患者が、長い時間を経て大動脈弁閉鎖不全症などの弁膜症に発展した事例があるのでしょうか。
なお、主治医からは 3 年後にもう一度見せてくれといわれました。わたしも、恐怖心は拭い去れませんが、肺動脈弁狭窄をほぼ克服できたことを勇気に、動脈硬化などを起こして弁に悪影響を与えないようにがんばろうと思っていますが、専門医の見解を聞かせてほしいと思っています。よろしくお願いします。



お答え

大動脈弁逆流は、1,他の先天性心疾患(心室中隔欠損症の一定のタイプ、ファロー四徴症など)に合併、2,リューマチ性のいわゆる弁膜症、3,大動脈弁の先天的異常(大動脈二尖弁など)、4,大動脈拡張性疾患(マルファン症候群など)に伴う場合等が、よく見られるものです。そのタイプにより経過が異なります。また、正常と考えられる弁に、エコーでたまたま見つかる場合もあります。
ご質問につきましては
  1. 弁に異常がない健康な人でも逆流することがあるのでしょうか?
    正常の人を多く検査すると、頻度は高くないけれども、エコー上ごく軽度の逆流を認めることはある、とされています。
  2. 体調の影響で一時的に逆流することもありますか。
    正常の場合に、このような変動があるかどうかの研究はないと思います。
  3. 大動脈の逆流は今後進行することがありますか。進行を防ぐために日常生活で気をつけることはありますか。このような「軽微」と診断していた患者が、長い時間を経て大動脈弁閉鎖不全症などの弁膜症に発展した事例があるのでしょうか。
    原因により経過は異なります。上に述べたような原因が明らかにある場合は、進行する可能性があります(その場合でも進行しないこともあります)。しかし、正常な人にたまたま合併している逆流が年齢とともに進行するかどうかの研究はないと思います。しかし、成人で、逆流が進行し問題となる様な場合は、ほとんどが上に述べたような原因があります。大動脈二尖弁の場合は、年齢とともに進行する事があり、このことは動脈硬化と関連しているということがわかってきました。いずれにせよ正常の人でも動脈硬化を予防することは大切です。正常な人にたまたま合併している逆流の場合は、日常過度の制限は必要ないと思います。主治医に経過を見てもらうことが大切でしょう。

文責:丹羽 公一郎