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ファロー四徴症患者さんの妊娠の時期について

ご質問

26歳 女性

3歳の時にファロー四徴症の手術をしました。まだ未婚なのですが、負担を少なく出産するには何歳くらいまでに子供を出産したほうが良いでしょうか?



お答え

どのような手術が行われたか、現在のチアノーゼの程度、血行動態、心機能がどうなっているかによって、見通しが異なります。
心内修復術が終了せず、ブレロック短絡術などしか行われていないと、チアノーゼが残存しています。チアノーゼがあると、妊娠のリスクは高くなります。妊娠経過に伴って、母体のチアノーゼは悪化し、血栓症の危険性が高くなります。逆に出血がとまりにくく重大出血をまねくこともあります。また、中等度以上のチアノーゼでは、流早産率が非常に高くなることも知られています。
一方、心内修復術が終了している場合は、現在の血行動態や心機能がどのような状態にあるかで決まります。それらがいい状態にあれば、妊娠・分娩のリスクは一般と同じ程度と考えられます。しかし、右室の遺残流出路狭窄、肺動脈弁逆流、右室または左室機能の低下など、血行動態の異常が残存する場合は、妊娠中期から分娩後にかけて、母体の不整脈や心不全のリスクが高くなります。結果として、早産・低出生体重児が生まれやすくなります。
生まれてくるお子さんが先天性心疾患となる可能性は、一般に比べると高くなります。特に22q11.2欠失症候群では高くなることが知られています。
以上、あくまで一般論として述べさせていただきました。患者さんの病状によって、話の内容は違ってきます。何歳までに出産した方がいいかというご質問についても同様です。出産したこどもが成人する年齢、その時に自分がどの程度の状態でいられるか等を勘案しますが、一般的には、35歳くらいまでには出産した方が良いと思います。また、心臓病の母親の場合、一人目より二人目の妊娠出産の方が、心不全、不整脈などの起こる率は高くなりますので、このことも出産年齢を考えるときに考慮します。いずれにせよ、担当医にご自身の病状について確認し、産科医に充分な情報提供をしてもらった上で、安全なお産を目指すことが必要です。
文責:川副 泰隆