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造影剤アレルギーについて

ご質問

61歳 女性

私は、5年ほど前から狭心症の疑いのため、治療を受けていましたが、その後肺梗塞、心房中隔欠損症と、言われました。肺梗塞は、一年前の検査で、良くなっていましたが、心房中隔欠損症の大きさが2~3センチと言われ、「今の身体の状態よりしんどくなったら、その時手術を考えましょう。」と言われています。私は造影剤のアレルギーがあります。30年前、腎臓結石の検査のとき判りました。1回、2回はなんともなかったのですが3回めのとき、苦しくなりました。造影剤を使用しなくても、手術が安全に出来ますか?今、長歩きをするとしんどいです。よろしくお願いします。



お答え

造影剤のアレルギーは蕁麻疹や発疹の軽いものから、気道の閉塞、ショックに至る重篤なものまで様々です。30年前の造影剤はアレルギーを含めて副作用の出やすいものでしたが、年々改良され現在おもに使用されている非イオン性ヨード剤の副作用は軽度なもの3%、重篤なもの0.04%、きわめて重篤なもの0.004%と報告されています。厳密には苦しくなったという症状が、アレルギーにより血圧の低下、気道の閉塞が起こった症状なのか、造影剤の注入速度が速かったために出現した症状なのか(濃い造影剤が入るためによく起きたそうです)が分かりませんし、現在の造影剤では出現しない可能性もありますが、一度そのような事があった場合はやはりアレルギーがあるものとして対応するのが安全だと思います。造影剤は様々な検査、治療で使用されますが、アレルギーによる危険性よりも、造影剤使用のメリットが高い場合には使用せざるをえない場合もあります。たとえば重篤な心筋梗塞で、生命の危険がある場合などでは、ヨードテストを施行したり、ステロイドホルモンの抗アレルギー作用を期待して造影剤使用前に注射して検査、治療をする場合もあります。
心房中隔欠損症においては術前のカテーテル検査の際に造影剤が使用されますが、その目的は主に心房中隔欠損症に合併しやすい部分肺静脈還流異常があるかないかをみること、年齢的に狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈の狭窄があるかないかをみるためのものです。肺静脈の状態がその他の検査(食道エコー、CT、MRI等)で確認され、また冠動脈も他の検査(負荷心電図、RI検査)で正常であることが確認できれば、カテーテル検査は心臓内の血液の採取と圧の測定により、心房中隔欠損症の重症度評価、肺高血圧の評価のみで造影剤は使用せずにカテーテル検査が可能かと思います。もし検査で、冠動脈の狭窄が疑われた場合は、冠動脈の評価なしで手術をすることは危険であるため、手術の必要性と造影剤のアレルギーの危険性をよく検討して、造影剤を使用すべきか否か主治医の先生とよく話し合う必要があると思います。
文責:立野 滋