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僧帽弁閉鎖不全症の手術について

ご質問

20歳 女性

先天性の僧帽弁閉鎖不全です。前尖の中央と右と後尖の中央とあわせて3箇所の烈隙がありました。3歳のとき修復の手術をしましたが、かなりの逆流が残っています(3から4だそうです)。20歳になり再手術をすることになりました。それで、2つ質問があります。
  1. 一度弁形成をしていると、もう弁置換しかないのですか。もう一度修復をすることはできないのでしょうか?
  2. 5年前から、1度の房室ブロックがあるといわれています。これは、僧帽弁の逆流からきているのですか? 手術せずこのままでいくと、さらにひどくなる可能性があるのですか? 手術しないとペースメーカーが必要になってしまいますか?



    お答え

     弁形成ができるかどうかはやはり現在の僧房弁の形態が問題です.僧房弁に烈隙があったという事ですが逆流の原因が烈隙の遺残であったり,弁腹の逸脱や腱策(弁を支える紐のような組織)の断列であったり,また心室の拡大もあると思われますがそのための弁輪拡大であれば弁形成や弁輪縫縮が行える可能性があります.弁が肥厚し短縮している場合や感染などが原因でひどく壊れている場合は人工弁置換もやむを得ないかも知れません.その場合,耐久性は劣りますが生体弁を入れるという選択肢もあります.これは血栓予防のための薬剤(ワーファリン)を飲まなくて良いか,少なめで済む可能性があるので出産時などの出血の危険が少なくなりますが寿命の問題があり,再手術が必要になります.心臓カテーテル検査,胸壁エコーや経食道エコーなどの術前検査により,詳しく弁の形態を調べる事が必要です.
     次に房室ブロックの件ですが,僧房弁閉鎖不全のために1度のブロックが進行してくる可能性はあまりありません.しかし逆流により心臓の各部屋はかなりの負担がかかっていると思われます.そのため頻拍性の不整脈が増えたり,危険な不整脈が起こったりします.そのような不整脈が出現してくると息切れ,動悸などの症状が急に悪くなる場合もあるので術式を含めて再手術のタイミングを主治医と良く相談されるとよいでしょう.
    文責:松尾 浩三