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川崎病遠隔期の管理

ご質問

32歳 男性

2.3歳の頃に川崎病にかかり、その後特に何事もなく現在にいたります。親に聞いたところ完治したと言われたそうです。でも定期的に検診は受けたほうが良いといわれ最近は15年位前に受けました。最近心臓のあたりに軽い痛みがあったり動悸?のようなものを感じるときがあります。忙しくなかなか検診にいけないのですが一度検診に行ったほうが良いのでしょうか?運動は社会人のサッカーを週1-2回くらいやっていますが、そのときは特になにも感じません。



お答え

重要な川崎病の合併症、後遺症として、冠動脈瘤、狭窄があります。若年者の狭心症、心筋梗塞患者さんの中に、川崎病の既往を認め、川崎病による冠動瘤、狭窄が進行し、発症する場合があります。川崎病の既往が、はっきりしない場合もあります。現在、川崎病は、診断がつくと、治療と同時に、冠動脈合併症の判定のため、心エコー検査(超音波検査)を行って、経過を観察します。冠動脈瘤の診断には、非常に有用で、川崎病の急性期に、冠動脈瘤、拡張などを認めない場合は、その後は、特に合併症は無く経過すると考えられています(生活習慣病に、罹患しやすい可能性は指摘されています)。しかし、約30年前は、現在のエコー検査と異なり、急性期での、エコー検査による冠動脈瘤診断は、確実ではありません。川崎病が、重症である場合(川崎病の重症度スコアという診断方法があります)は、血管内にカテーテルという管を入れて検査する方法(心臓カテーテル検査)で、判定していました。この検査を施行して、冠動脈が正常という判断であれば、やはり、その後は、特に合併症は無く経過すると考えられています。軽症で、この検査を行っていない場合は、その多くは、冠動脈に後遺症を残していないと考えられます。しかし、成人期に胸痛、動悸などを感じる場合は、循環器科を受診して、冠動脈病変の評価を受けた方が安全です。30歳くらいの人の胸痛、動悸は、心臓に原因がないばあいが多いのですが、川崎病の既往があり、冠動脈病変の可能性が、少しでもある場合は、念のために心臓の検診を受けることをおすすめします。
文責:丹羽 公一郎