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川崎病と僧帽弁閉鎖不全

ご質問

はじめまして。
私は8ヵ月で川崎病を発症し、動脈瘤があって小学校までアスピリンを飲んでいました。現在は服薬はしていません。同時に、僧帽弁閉鎖不全症もあり、大学病院で定期的な検査を受けているのですが、主治医の先生が頻繁にかわって、説明の内容が一致しません。
発症時、親は 当時の主治医から僧帽弁閉鎖不全は川崎病の後遺症という説明を受けたそうですが、先日の定期検査で現在の主治医に尋ねたところ、僧帽弁の閉鎖不全は川崎病とは関係ない、生まれつきだとおっしゃいました。
川崎病の後遺症として僧帽弁閉鎖不全を併発するということはないのでしょうか?よろしくお願いいたします。



お答え

川崎病に僧帽弁閉鎖不全症を合併する場合は、2通り考えられます。
一つは、川崎病は、急性期に血管炎と同時に心筋炎、弁膜炎を伴うことがあります。1980年頃に、急性期に僧帽弁閉鎖不全症を認めた患者さんで、僧帽弁に炎症があることが明らかになりました。その後、聴診では認めなくとも心エコーで検査をすると、急性期に僧帽弁閉鎖不全症を認める人がいることがわかってきました。大動脈弁閉鎖不全を認める場合もあります。しかし、その殆どは、急性期を過ぎると、消失、ないし軽快します。ただ、この僧帽弁閉鎖不全症が、残ってしまった人の場合は、先天性の場合と区別が難しいときがあります。というのは、川崎病を発症する前に、僧帽弁閉鎖不全症がすでにあったかどうか、多くの場合はわからないからです。急性期をすぎて、消失した場合は、川崎病のためと考えて良いと思います。また、僧帽弁を支持する組織である、乳頭筋、腱索などに異常がある場合は、先天性と考えた方が良いと思われます。いずれにせよ、現在の僧帽弁閉鎖不全症の程度により今後の治療なども異なってきます。
2番目は、川崎病で、冠動脈瘤、冠動脈狭窄があり、その後、心筋梗塞を生じた場合です。左冠動脈による心筋梗塞を起こしますと、乳頭筋の異常や左室形態の異常を生じて、2次的な僧帽弁閉鎖不全症を伴う場合があります。これが高度の場合には、僧帽弁置換術を行う人もいます。
文責:丹羽 公一郎