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先天性心疾患術後の妊娠

ご質問

質問1 33歳 女性

私は現在33歳ですが、30年前に先天性心臓病 (心室中隔欠損症)の手術を受け、現在は雑音が残っていますが、完治しています。私の見た感じは日本人平均の標準サイズの体型で、顔色も悪くはありません。親にも昔心臓病だったのが、信じられないといわれる外見です。 質問したいことが二つ ありますが、一つはストレスと心臓病との関係です。会社では仕事の責任があり、忙 しくて大変なことと、昨日メールで送ったように上司がいつも辛くあたるので精神的 に疲れていることでストレスがたまっていますが、心臓のためには良くないでしょう か。 もう一つは先天性の心臓病は手術で根治していますが、それでも心配なことが ありますが、私もいつかは結婚して、子供が欲しいのですが、妊娠と心臓の影響につ いて教えていただきたいと思います。ファロー四徴症の患者さんだったで人で根治し た人が出産に成功したようなのをこのホームページで読ませていただいたので、大丈 夫に思いますがいかがでしょうか。宜しくお願いします。

質問2 34歳 女性

2歳のときに、たしか心室(or 心房)中隔欠損症で手術をしておりま す。脇から背中にかけて大きな傷があることを別にすれば、病名さえ忘れてしまうほ ど、大病を患った記憶もないまま、何不自由ない普通の生活を30年以上おくってき ました。が、最近になって、「心臓の手術をしているから母乳は出ないかもしれな い」と親からさりげなく言われ、愕然としました。まさか今になってそんな昔の病気 の影響があるなんて、と思いましたが、少し調べると、場合によれば妊娠・出産にも 影響があり、遺伝する可能性もあると知りました。その旨、詳しく情報を提供いただ けたら、と思います。よろしくお願いいたします。



お答え

共通の項目が有りますので、合わせてお答えさせていただきます。また妊娠に関しての項も合わせてご覧下さい。

まずファロ-四徴症では、出産は成功したということではなく、基本的に心臓病、産科の医者が共同で診ていくことにより多くの先天性心疾患をもつ人は出産可能です。

妊娠時には、心臓からでる血液量(心拍出量)が増加し、心拍数が増加しますが、末梢血管抵抗の減少のため血圧は 大きな変動はみられません。また、左室収縮力も変化がありません。従って、心室中隔欠損を修復した患者さん(欠損孔が完全にふさがり、肺高血圧なども見られない場合)は、妊娠出産時に一般の人と比べ大きな違いはありません 。出産も、産科的な適応のない場合は経膣分娩となります。先天性心疾患で、現在、出産が難しい場合(或いは妊娠前に治療しておくべき疾患)は、肺高血圧、高度の心不全、中等度以上の大動脈弁狭窄、大動脈拡張の強いマルファン症候群、中等度以上のチアノーゼを認める先天 性心疾患、川崎病冠動脈狭窄例などがあります。また、人工弁使用者、warfarin使用例も注意必要です。いずれにせよ、どのような先天性心疾患でも、妊娠出産を計画する場合は、主治医に相談することをお勧めします。またミルクが出なくなることは有りません。

遺伝については、家族親戚に先天性心疾患の人が見られず、相手も心疾患でなければ、統計上5-6%くらいの頻度に先天性心疾患のこどもが生まれることになります。

ストレスは、末梢血抵抗を高めます。また、心臓を養う冠動脈の収縮を起こすこともあります。従って、高血圧、冠動脈疾患などのいわゆる生活習慣病には悪い影響を与えます。また、先天性心疾患でも、修復されていない場合、肺高血圧を認める場合、心不全を認める場合、チアノーゼを見る場合などは、悪影響があると考えられます。しかし、 これ以外の軽症の心疾患では、それ自体で大きな影響を受けるとは考えにくく、一般の人と同様だと思います。ストレス自体誰にとっても悪いことですが。
文責:丹羽 公一郎