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先天性心疾患と動悸、息切れ

ご質問

40歳 女性

心室中隔欠損症です。ここ2年くらい、ちょっと動いた程度(たとえば、階段を14~5段上った程度)で、脈拍が150~60位にあがり息苦しかったので、先日18年ぶりにカテーテルを受けました。大動脈弁に変形が出てきている、右室二腔症の疑いなどの所見があったようです。しかし穴の大きさは4ミリ程度で、弁からの逆流もまだ見られず、右室の圧力差も15%程度で、今すぐ手術する必要はないといわれました。今の心臓の状態で、心不全様の症状が出る理由がわからないといわれるのですが、実際脈拍の上がりが早くきついのです。入院中いろいろ検査をしましたが、結局原因がわからないままでした。
  1. 上のような心臓の状況ですぐに脈拍が上がるのはなぜでしょうか?ちょっと早足で歩いたり、風呂上り(15分程度の入浴です。ぬる目の温度です)などに、120~160くらいになります。
  2. 保育士の仕事をしていますが(15kg程度の子どもを常時かかえます。子どもと走り回ることも多いです)、このまま続けていくのは可能でしょうか?続けることで悪化することはないのでしょうか?
5月の連休明けから職場復帰します。とても不安です。現在、利尿剤2種類と、血管拡張剤、脈を抑える薬を服用しています。カテを受ける前、血圧がやや高かったので(140/90.トレッドミルのときは、上が200を超えたので)。



お答え

まず頻脈と息切れは心不全の症状の一つですが、詳しい検査で心臓の機能には異常ないとのことですので、現在の症状が心不全にもとづくとは必ずしもいえないように思います。運動や労作により脈が上昇しますが通常の反応よりもさらに早くなりますと息苦しくなりますし、また不安になることでもさらに息苦しさが出てくる場合があります。心臓病でそのような症状を呈するものには頻脈性不整脈があります。このなかで、稀ですが、心臓のペースメーカーの役割をもつ洞結節に異常があり頻脈を起こすことがありますが、これは安静時にも早い脈であるため症状には合わないと思います。
そこで心臓以外の原因を考えますと1)甲状腺機能亢進症、2)自律神経失調症、3)ストレス、4)更年期障害、5)運動耐用能の低下などがあります。
1)は甲状腺ホルモンが異常に分泌されるもので心臓には頻脈や心不全が起こりますがこれもやはり安静時から頻脈であること、またおそらくは症状から検査済みであると思われます。
2)に関しては通常脈や血圧、胃腸の動きは意識外で自動的に制御されていますが、そういった制御をするのが自律神経です。自律神経は運動や興奮する時に働く交感神経と、安静時に働く副交感神経に別れそれぞれのバランスによって制御されています。交感神経が過敏になっているとちょっとしたことで脈や血圧が急上昇することが考えられます。また神経ですので精神的な要素とも深く関わっており、3)ストレスといった精神的な要素に左右されることもよくあります。
4)年齢的にはまだお若いのでこちらはあてはまりませんが、ホルモンの変化により様々な不定愁訴を引き起こします。そのため閉経と同様なホルモンの異常がある場合(婦人科的疾患)にも念頭におく必要があると思います。
5)心臓病のかたは若いときから運動制限を受けていることが多いので、もともと体力がない方が多く見られます。加齢の要素も関わってそれが顕著に出現する場合もあります。
また、心臓の状態がわるい訳では無いので、保育士の仕事を、続けていくことは可能と思われますが、主治医の先生と良く相談していただければと思います。
文責:立野 滋