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生命保険に関してのご質問

ご質問

私は、先天性心疾患の1歳半の息子をもつ父親です。今年の10月にはフォンタン手術(根治手術)を受け る予定です。生後間もなくシャント手術を行い、外見からは普通の子供のようにいたって元気です。今後、生命保険など 加入が可能でしょうか?また、現在でも可能な生命保険があるのでしょうか? 情報がいただきたいです。



お答え

1歳のお子さんについてのご質問ですが、成人期になった患者さんにとっても生命保険に関してはさらに重要な問題です。国立小児病院での調査でも成人先天性心疾患外来での相談事項で上位にランクされております(Heart View 1999 Vol3 No.7 P14)。

保険の種類は様々で、さらに各種特約事項がありますが、今回は死亡保険金のおりる定期保険、終身保険に絞ってお答えしたいと思います。

まず定期保険は保証期間が何歳まであるいは何年といった期間が限定されます。対して終身保険は保証期間は一生のものです。多くの場合は、この二つを組み合わせて定期保険特約付終身保険として契約されます。一般に簡易保険や共済保険など健康診断の必要のない告知のみのものは定期保険が多く、契約しやすいようです。対して終身保険は主に生命保険会社が扱っているもので、告知はもちろん健康診断が必要になる場合がほとんどです。ただ外資系の会社A社からは弱体者終身保険という他の生命保険では契約できないかたを対象にしたものもありました。その他に親が家族保険に加入している場合にお子さんも自動的に被保険者の何割かの保証が得られるものもありますがお子さんの保険期間は21歳あるいは22歳までとなるようです。

保険の契約にあたり保険金は健康な人を基準として決められ、通常より死亡の危険が高ければそれに応じて特別保険料あるいは条件付きの契約(契約後1年は保険金額は何割減となる場合もあります)、また契約の延期や契約不能となります。また年齢により契約が可能となったり(乳児期は契約できないが思春期になれば可能となる場合もあります)、心臓病の状態によっても契約が可能となります(心室中隔欠損症であれば自然閉鎖後や術後に契約が可能あるいは通常の保険料の契約になることもあります)。

各保険会社では査定医がおり、告知内容や健康診断書をもとに契約可能か、可能な場合は条件が必要かを検討しています。必要であれば主治医に必要な書類、レントゲン・心電図などの資料が求められることもあります。ただしこれらの事がしっかりされていれば良いのですが、現状では営業員の判断で心臓の病気があればダメだと言われることが多いのではないかと思います。また告知義務があるにも関わらず病気の事を伏せたままで契約し後で問題になることもあります。

また査定医の判断の基準については日本では各保険会社が独自で持っているようです。

このような状況からは、しっかりとした営業の方とよく相談し、主治医の診断書をもとに保険会社に算定してもらい、その内容により契約をするかどうかを決めることが良いように考えます。会社によりハンデがある人に対しての姿勢が違いますし、同じ会社でも人により積極的に調べるかも違うと思います。また生命保険協会やその相談所も活用するといいと思います。最近は外資系の会社の参入によりかなり変化しています。テレビ等では自動車保険が条件により安くなることを宣伝していますが、逆に条件により高くなる場合もあります。欧米ではリスク計算などは公正かつ厳密になっていますから、その影響で心臓病を持つ方も、それだけで保険契約を断られるのではないので、正しい評価を受けた上で契約を検討される時代になっていると思います。

次に海外で保険会社を対象にした調査と、北米での患者さんに対する勧告を紹介します。

●英国で大手保険会社4社より得られたアンケ-ト調査

●米国で回答の得られた50の保険会社のアンケ-ト調査

●米国での生命保険に関する勧告

最後に途中経過ですが、当院で15歳以上の患者さんに協力していただいております社会生活においてのアンケ-ト調査の中から、保険についてご紹介いたします。(協力:千葉大学教育学部  藤田佳奈子)

総数62(一部学資保険なども含まれている)
保険に加入している26名(成年21名、未成年5名)
条件付での加入 2名(入院特約不可、増額不可)
加入希望だったが入れなかった4名
入れないと考え契約しようとしていない12名
まだ保険加入を考えていない11名
以前加入していた1名
不明8名

その他 残念ながら重症度に関係なく、慢性疾患はそれだけで対象外とされる事が多いようです。 家族保険の場合は、配偶者や子どもの審査がない事が多いようなので入りやすいと言えます。 成人してからは審査が厳しくなるようです。申告はしていない人のほうが多く、成人の方は申告は必要とされない限りは自分からはしないようです。申告することはやはり不利な状況を生むようです。「共済」関係に加入している人が多かった様です。


文責:立野 滋