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成人期のフォンタン手術

ご質問

28歳 男性

先天性3尖弁閉鎖の患者です。10年前のフォンタン手術は、数回繰り返したシャントによる癒着がひどく、長時間となったためシャント入れ替えで終わりました。今回再度試みます。そこで質問ですが、最近はフォンタンは低年齢化していますが、30歳という年齢でのフォンタン手術はどのぐらい実施されているのでしょうか。その場合の成功率はどの程度でしょうか。癒着以外に、この年齢での実施で予想される問題点をお聞かせください。よろしくお願いします。



お答え

以前の手術の時に、癒着がひどく、フォンタン手術に至らなかったという点が少し気になりますが、一般的な手術的な適応がある場合の成人期のフォンタン手術について述べます。
日本では、それほど多くは行われておりませんが、欧米では、すでに多く成人期フォンタン手術が行われています。1980年以降、70人程度の手術を行っている施設もあります。手術適応があり、条件が良ければ手術成功率は、殆ど、子供の場合と違いはありません。肺動脈の低形成や変形、肺血管抵抗値が高い場合以外は手術適応があります。手術の危険率は、肺血管抵抗上昇:2U/m2以上、高肺動脈圧(>18mmHg)、心室機能低下(左室駆出率:50%以下,拡張末期圧が>12mmHg)、中等度以上の房室弁逆流、心室流出路狭窄などでは、危険率が高くなるとされています。また、側副血行路が発達し、術中出血が多くなります。左心機能低下にも注意が必要です。しかし、フォンタン手術後は、生活の程度が改善し、不整脈が少なくなります。一つの報告での成人期フォンタン手術の10年生存率は72%です。三尖弁閉鎖の場合は、左心室が、全身への血液を保ちますので、もっと良いと考えられます。
成人期のフォンタン手術は難しい手術ですし、患者さんにより、心臓の状態、循環動態に大きな違いがありますので、受け持ちの先生に、手術の難易度、注意点などよく聞いておくことが大切です。
文責:丹羽 公一郎