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心房中隔欠損症手術後の不整脈について

ご質問

41歳 女性

25歳の時に心房中隔欠損のパッチ手術を受けました術後すぐに不整脈になり、電気ショックで直し普通の生活を12年程送っておりましたが、37歳の時、又、不整脈になり、電気で直しましたが1年後にまた不整脈になりと、不整脈が薬を飲んでいても、症状として現れるようになりました、このまま、不整脈は時々、出てくるものと思っておいた方が良いのでしょうか? 何度も電気ショックの治療をしても大丈夫なのでしょうか? 生活上、気をつける事があれば教えて下さい



お答え

心房中隔欠損症の場合、15歳以上での手術では術後不整脈の発生はそれ以下の場合より高率にみられ、その不整脈の中では心房細動が主なものです。電気ショックで治療を受けていることから心房細動あるいは心房粗動が出現していると推察されます。術前に孔を流れていた血液により心房が負担を受けるために心房中隔欠損症ではよく見られる不整脈であり、また先天性心疾患がなくても加齢と共に出現するタイプの不整脈ですので、その両方が原因で30歳台から繰り返し出現していると思います。ですから自然に軽快することは期待できず、徐々に慢性化していくと予想されます。発作性に出現する場合はその予防と発作時の停止がその治療になりますが、慢性化して持続している場合は心拍数を下げて症状を緩和することと、心房内に血の固まりが出来ないようにする抗凝固療法があります。またその治療内容としては予防としては各種の抗不整脈薬がありますが、停止するための薬物は心房粗動、心房細動にはあまり効果がないことが多く、薬の副作用も考えますと電気ショックが確実で安全な方法であると思います。抗不整脈は現在かなりの種類のものが発売されていますので主治医と相談しながらいろいろと試してみるとよろしいかと思います。
薬以外の治療法としてはまずカテーテルアブレーションといって不整脈の原因を調べて心筋に電気を流し発作を起こらなくする治療があります。心房粗動の場合は心房の中を電気刺激がグルグルと旋回しているためその通路を診断し、通路の中で狭くなっているところを線状に焼灼して電気が旋回することを予防する治療となります。先天性心疾患のない正常な構造の方で出現しやすい通常型の心房粗動では高い成功率が得られていますが、心臓の手術後の場合は複雑な通路を持つことが多く、旋回する経路の診断が困難であることが多く、特殊な器械が必要とするため限られた施設でしか積極的には行われていません。心房細動の場合は心房細動が出現するきっかけとなる心房性期外収縮に対して場所を見つけて電気を流す場合と、心房細動の出現と持続に肺静脈ないの異常に早い興奮する電位がある場合は肺静脈内や周辺で電気を流す場合があります。前者の場合で右心房内に悪い場所があるときは比較的容易に成功しますが、左心房にある場合は心房中隔を貫いてカテーテルを進めて治療をするため一度手術しているので難しく、またどちらにあっても別の部位からの再発の可能性も高いと思います。後者の様に肺静脈内に悪い場所があり場合も心房中隔を貫くことが困難であり、またその治療は合併症の問題もありまだ一般的でなく、カテーテルアブレーションに関して先端の施設に限られていますしやはり心臓の病気があり手術をしていることから再発率は高いと予想されます。
以上心房粗動、心房細動の一般的なお話をしましたが、不整脈が出現した時の状況等もありますので、主治医の先生とよく相談しながら治療方針を考えていくと良いかと思います。
最後に不整脈の出現に関してですが、多くの場合は運動や興奮したときにでやすい傾向にありますが、不整脈の種類や人により逆に安静時、睡眠時み多い方もいます。また飲酒時、飲酒後、寝不足、疲労、精神的ストレス、暴飲暴食や、逆に過度なダイエットや脱水などにより体の電解質バランスが崩れた場合に良く出現しやすいとされています。また心房中隔欠損症の場合は心房と心室の間の弁の逆流が残存する場合がありますが、逆流の程度が重く心房に負担がかかっているとやはり不整脈は出現しやすくなります。
文責:立野 滋