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心房中隔欠損症の手術適応2

ご質問

58歳 男性

会社の健診で“心臓肥大”で聴診器でも“雑音がする”で再検診必要ということで、結果、先天性のもので心房中隔欠損症、2~3cmの欠損がある、その為徐々に心臓が肥大していると言われました。肥大の状況は胸のレントゲンで心臓部分が50%以下が正常だが55~56%との事、しかし手術は不要で定期健診でOKとの事。
やはり設備の揃った大病院に診てもらったほうがと思いまず財団法人日本心臓財団に電話相談をしたら、欠損症は子供の時に発見されて手術するケースは多いが58歳になってこの症状であれば余り神経質にならず薬服用で大丈夫と言われました。
次に財団法人心臓血管研究所の先生に診てもらい心電図、X線の段階で心房中核欠損症に間違いないが直ぐ手術をしたほうがいいと言われました。
最後に知り合いの医師と連絡がつながり旧専売病院の循環器系内科の先生に診てもらったところ直ぐ手術ということではない。5年10年先のことを考えると肺高血圧症にならないように予防の手術は必要になるかもしれないといわれました。

知り合いに心臓肥大、又同じ心房欠損症でも平均寿命までとか、95歳まで天寿を全うした人がいたことを身近に聞きましたので、暫くは節制、減量(身長169cmに対し77kgを73kgまで減量)して心臓に負担をかけないようにして様子を見る予定でおりました。
しかし場所が場所だけに不安ですので、もう少し医師、専門家、同病患者の情報並びに意見を聞ければと思います。(今までの健診では、不整脈なし、スポーツも水泳等普通にして、自覚症状は無しです。(肺に流れる比率は1.7~2.0と言われ肺も正常です。)



お答え

心房中隔欠損症の手術適応の項も併せてご覧ください。
現在まで元気に過ごしてきたのであれば、手術をしてもしなくても生命予後は変わりないと考えられます。ただし今後のQOL(生活の質)の変化に関しては、提示して頂いたdataからは判断できませんし、今後の他の要因にも左右されますので、何とも言えないのが正直なところで、それ故にいろいろな意見になってしまうのだと思います。

今後の経過としては、肺高血圧の進行の可能性、心房細動などの不整脈の発生、心不全の発生が危惧されます。これらの合併症が生じると、これに伴う症状や治療により、生活の質が低下することが予想されます。継続的な薬剤の服用が必要になることが多くなります。現在の状態から、それらの合併症が起こりやすいかどうか、ある程度、判断はできますが、個人差がありますので、一概には言えないのが現状と思われます。高血圧などが生じた場合には、心不全、不整脈などが、より起こりやすい状態となります。高血圧の出現により、左心室の肥大が出現すると、左心房の血液は左心室に流れるより、欠損口と通って右心房に流れやすくなるため、欠損口を通る血液が増加していくからです。
このような合併症を認めたり、息切れなどの症状が強くなった場合は、一般的には、手術やカテーテル治療が必要です。手術により、心不全は、軽くなります。また、症状を認めないとする人でも、手術により、体が随分動けるようになった、という人もいます。今後の、こうした合併症の起こりやすさ、合併症出現時の生活の質の低下などと、手術やカテーテル治療に夜症状の改善の程度と手技の危険、負担などメリット・デメリットを秤にかけて治療を考えていくことが必要かと思います。
文責:立野 滋