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心房中隔欠損症と上室性頻拍に関してのご質問

ご質問

37歳 女性

2年程前に心房中隔欠損症の診断を受けました。不整脈に気づい ていたころ、健康診断の心電図で「ST上昇」と指摘され、受診をして見つかりま した。その時は、ホルター心電図で上室性頻拍が多発していたために心エコーを 行い、やっと見つかる程度の穴の大きさであると言われました。医師からは、 「今は特別、治療の必要はないだろう」と言われ、放置しています。

現在は、塩 分を多く摂ったときや、疲れているとき、風邪をひいたときなどに、心臓が締め 付けられるような感じを覚えたり、動悸や頭痛がします。運動負荷をかけると、 顔色不良で上肢の震えを認めます。塩分と、運動制限に注意をしていれば、普通 に生活できますが、この先、受診や治療は、どのようなタイミングですればいい のかわかりません。治療は、やはり手術がベストなのでしょうか?

また、年々、 アレルギーを起こす頻度が高くなってきているのですが心房中隔欠損症と何らか 関連はありますか?アレルギーは、薬品食品、あらゆるもので出現します。検査 済ですが、原因が多すぎて、特定できませんでした。



お答え

通常心房中隔欠損症の不整脈は左心房から右心房に血液が流入し、右心房と左 心房が拡張し容量負荷がかかるために心房性の不整脈(主に心房細動)が出現し ます。成人では超音波で欠損口を描出する事は困難ですが、欠損口は小さいとの ことなので右心房と右心室の拡大は無いと類推されます。そうしますと不整脈と心房中隔欠損症は関係がなく出現している可能性が高くなります。塩分の取りすぎで心臓に水分負荷がかかり症状が出現するは心不全で起こりやすいことですが、むくみの出現など心不全を思わせる症状がないので、塩分の取りすぎと症状とは、直接関係ないように思えます。

ここでは心房中隔欠損が小さいということで話を進めさせていただきます。欠損 口が小さく右心房、右心室の拡大が無ければ手術の必要はありませんので、上室 性頻拍症についてお答えします。まずたいていの上室性頻拍の生命予後は良好で あるため、頻回に頻拍発作を起こす方や症状の強い方が治療の対象になります。 ただ頻拍が持続し心不全をきたす方や発作時にめまいや失神を起こす方では突然 死予防のため治療は積極的に行われます。治療は主に薬かカテ-テルアブレ-シ ョンが中心ですが、どのような種類の不整脈か分かりませんのでここではお答え しかねます。 以上が一般的な話です。

運動負荷で顔色不良、上肢のふるえがくると言うことですがこれは頻拍発作が出現して出ている症状で、日常の運動制限が必要となるのであれば頻拍の治療はした方がいいと思います。頻拍が出現していないのに起こる症状であれば、原因は心房中隔欠損症によるものか、精神的なものによるもの かになります。前者であれば息切れが出現することが多く、後者の場合は過換気症候群により、息切れに手足のしびれや硬直が伴います。いずれにしろ症状が強 いのであればどの原因によるものかをはっきりとさせたほうがいいと思いますので主治医の先生とご相談下さい。

つぎにアレルギ-についてですが心臓の病気が直接原因となるものはありませ ん。ただしアレルギーの発症は複雑で、体質や原因物質以外にも体調やストレ ス、感情、運動などさまざまな要素が関係します。たとえば体調の悪いときだけにサバをたべると蕁麻疹が出る方もいます。心臓病と分かって精神的なストレス でアレルギ-が悪化しているのであれば、前項のようなことはなるべくはっきり させたほうがいいと思います。
文責:立野 滋