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心内修復術ができないチアノーゼ性心疾患の合併症について(三尖弁閉鎖症)

ご質問

33歳 女性

初めまして。私は今専業主婦をしています。先天性の三尖弁閉鎖症で、3歳の時にブレロック手術をしましたが根治はしていません。何度か根治手術(たぶんフォンタン手術)を地元の病院で検討していただきましたが、肺高血圧が高いということで、手術は無理だと言われました。ブレロックの手術は関西で受けて、その後20歳くらいまでは年に1~2度程関西まで定期診察を受けに行っていたのですが、主治医の先生が定年で引退されて、それから地元の病院にかかっています。しかし先天性の私の病気のことをよく知っている循環器の医師がおらず、それに21歳の時くらいから、肺高血圧の影響からか、喀血をするようになり、在宅酸素を行っています。
喀血は毎日継続してというわけではないのですが、量が多くなり苦しくてたまらない時は救急車を呼んで病院に運ばれるということの繰り返しです。26歳の時に脳の病気で脳膿瘍も患い(これは手術で根治できました)最近診察でギャロップというのが出ていると言われました。なるべく安静な毎日を送るように心がけてはいますが、地元には三尖弁閉鎖症に詳しい医師がどこにいるのかもわからず、心肺同時移植の勧めはされるのですが、する勇気もなく、このまま生活していくしかないのか毎日が不安でたまりません。このまま経過を見るだけの生活であれば、あと何年も生きられないのでしょうか?遠くても私の病気にもっと詳しい医師を探して一度診てもらったほうがよいのでしょうか?何かよいアドバイスをお願い致します。



お答え

三尖弁閉鎖症で、ブレロック手術を行ったが、肺高血圧があり、Fontan手術が行えず、そのまま外来での観察をしている。脳膿瘍で入院したり、時々喀血をおこし、入院することもある。また、徐々に心臓の負担が強くなってきている状態ですね。チアノーゼ型疾患で、修復術を行えない場合の、心臓自体の経過、長期的なチアノーゼによる合併症を伴っているということだと思います。
ホームページにも掲載しておりますが、まず、慢性的なチアノーゼの方にみられる合併症は、血液が濃いために起こる症状、頭痛、眩暈、筋肉痛、耳鳴り等があります。たんぱく尿、痛風、歩行時の息切れ、胆石、脳膿瘍、細菌性心内膜炎などを伴うことがあります。また、出血傾向が強く、喀血、肺内出血を起こすことが少なくありません(特に、思春期以降伏せてきます)。風邪を引いたときに起こりやすくなります。喀血の際は、安静、酸素吸入、鎮咳剤等を投与しますが、強い時は、入院加療が必要です。また、アスピリンなどの解熱鎮痛薬は、出血を助長するので、喀血の多い人は、出来る限り控えます。しかし、一方で、血栓、塞栓も起こしやすいので、夏などは脱水にならないよう水分補給に注意することが必要です。
この様な合併症に適切に対応して行くことによって、依然と比べて、生存期間は長くなっています。悪性の不整脈、心臓機能不全、高度の喀血などが原因で亡くなる場合があります。年齢が大きくなると不整脈も多くなります。これらの原因に対する、予防治療も大切です。
心肺移植は、心臓の働きが悪くなってきた場合に、行うことがあります。三尖弁閉鎖症は、左心室が、しっかりとしていることが多く、他の単心室系統の疾患と比べると、比較的心不全になりにくいのが特徴です。心肺移植自体大変ですし、移植後も普通の人と同じようになるわけではありません。このまま、内科治療をする方が良いことも少なくありません。慎重に、検討する事が必要です。病気に詳しい先生が近くにいない場合は、セカンドオピニオンとしてでも、どなたか詳しい先生に診てもらうことは大切です。
文責:丹羽 公一郎