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心臓病と胸痛、遺伝について

ご質問

31歳 女性

こちらのQ&Aも拝見させていただきましたが、胸痛 と 遺伝 についてもう少しお伺いさせて下さい。
私は 5 歳の時に心室中隔欠損症で手術をしました(欠損孔は 1 円玉くらいだったと聞いてますが、幼児の心臓にそんなに大きな穴が?とも思います。親の勘違い or 誇大表現かも知れません)。その後20歳まで年に 1 度、検診で通院をしていました。学生時代の健康診断では、心電図に「心雑音」が認められ、再検査をしていましたが、病院では特に何も言われませんでした。学生時代からときどき胸部が痛む事があったのですが、心的要因等だろうと思い特に何も言わずにいたのですが、ここ数年、ストレス等の自覚症状が無い時にでも、ときどき心臓を叩かれたり、手掴みされた様な痛みを感じる事があります。大抵は一瞬の痛みで済むのですが、1 度 痛みが治まらず涙が出るほどでした。それと心痛の後はしばらく疲労感を覚えます。このような痛みの場合でも心的要因や加齢からくるものなのでしょうか?
昨年(だったと思うのですが)人間ドックでは何も言われませんでした。
それと、遺伝についてですが、「家族親戚に先天性心疾患の人が見られず、相手も心疾患でなければ、統計上5-6%くらいの頻度に先天性心疾患のこどもが生まれることになります。」とありましたが、私は父が心臓があまり強くなく、また父方の従兄弟に心室中隔欠損(軽度の手術せず)と名前は忘れたのですが、心臓の悪い人が居ます。夫には心疾患はありません(幼少期、吸入器を使う小児喘息だったとは聞いています)。親族に先天性の心疾患の人がいる場合には、遺伝の確率は上がるものなのでしょうか?
長々と書き連ねてしまいましたが、子供の頃から、何となく詳しく知るのが恐くて目を背けてきた自分の心臓(心疾患)について、ちゃんと知ろうと思い、質問させていただきました。宜しくお願いいたします。



お答え

まず、心室中隔欠損の手術後、長期間たった後で、心臓による或いは心臓の治療を必要とする胸痛は、まず認めません。もし、心臓に原因がある胸痛だとしたら、その場合は、他の心臓病の合併の場合です。
胸痛は心臓病だけでなく、筋肉、骨格系、肺、胸膜などからも起こります。また、走っている途中、緊張したとき、恋の悩みでも起こります。不整脈で起こることもあります。そして、大事なことは、一般の人でも胸痛はよく経験することです。心臓病の多くの患者さんが成人期に近づくと胸痛を訴えます。その頻度は、一般の人より多いのですが、これは、常に心臓病ということを意識していることと、御両親も胸痛ということに対して敏感なため過剰な反応を示すことが多いためと思います。心的要因という意味は、このような反応のことを含みます。実際、筋肉の痛みでも、痛いと感じます。それを、心臓に結びつけるという様な状況のことも心的要因に含まれます。心臓に関しては問題が無いかどうか、心臓病の専門の先生にみてもらうことと、大丈夫と診断された場合、あまり思い悩まないことが大事です。

遺伝に関しては、自分の子供に心臓病が発生する率は、報告により少し異なりますが、いとこに先天性心疾患がいる場合は、1-3%程度発生率が上がると考えて良いかと思います。逆に言えば、90%以上は、心臓病でない子供が生まれるということになります。ですから、妊娠経過中には、胎児エコーなどでの胎児のスクリーニングも大事です。
文責:丹羽 公一郎