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胎児心臓MRI検査について

ご質問

50歳 男性

胎児の心臓を検査する機械で「心臓磁気測定装置」が開発されていると、聞いたのですが。この装置のある病院名とこの装置の母体や胎児に対する危険性についてお教えください。



お答え

MRI(磁気共鳴画像診断法)を用いた胎児の心臓検査についてのお話だと思います。国内、国外を問わず既に実施されていますが、エコー(超音波)検査の補助的役割が強いものと思います。これらの検査の長所と短所を以下に要約します。なお、両検査とも、母体や胎児に対する危険性はほとんど無いとされています。

まず、胎児心エコー検査の長所は、比較的短時間に、ベッドサイドで、リアルタイムに、必要充分な情報を得られる点です。短所は、胎児の位置や姿勢によっ ては明瞭な画像が得られない場合があること、羊水過少・過多では明瞭な画像が得られないこと、等です。
一方、胎児胸部MRI検査の長所は、胎児の位置・姿勢、羊水過少・過多にかかわらず、良好な画像を得ることが可能であり、血管走行や腫瘍性病変などに関してはエコー以上の情報を得られる可能性があること、等です(ただし、MRI検査の条件設定には、それなりの知識と熟練を要します)。短所は、予約検査 なので時間の自由度が低い、母体の負担が大きい(仰向けまたは横向きで寝たままの姿勢を、約1時間持続する必要がある)、検査費用が高い、多くの場合は胎動の抑制(母体への催眠剤投与など)が必要となること、胎児MRI検査に熟達した医師が少ない、等です。

以上より、次のように考えます。
胎児の心臓検査の第一選択はエコー検査である。胎児の位置や姿勢のために充分な検査をできない時は、エコー検査を後日やり直す。羊水過小・過多等があって、胎児の心臓の評価が充分にできない場合や、詳細な血管情報が必要な場合、腫瘍性病変を評価する場合等が前提となり、それらの情報を分娩前に得る必要 がある場合に限って、MRI検査を行う。MRI検査は、熟練したスタッフ(小児科、産科、放射線科など)のもとで行うべきである。
実際にMRI検査を行う場合は、どのような疾患を疑っているのかなど、医療者間の詳細な情報交換が必要です。担当の医師とよく相談することをおすすめし ます。
文責:川副 泰隆