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ポートアクセス法について 2

ご質問

56歳 女性

心房中隔欠損症で心臓が肥大し穴の大きさは4cmくらいと言われました。心臓カテーテル検査の結果、手術の適応有りとのことなので手術をしたいのですが、現在入院中の病院では胸骨を切開する手術法をとるとのことです。
しかし、体への負担が大きいのと、傷口が大きく残るのが嫌なので、他の手術方法をさがしたところカテーテルを使った方法と、ポートアクセス法という手術法を知りました。カテーテルでは、穴の大きさが30mmくらいまでということでしたので、無理なのでは・・?と考え、ポートアクセス法で手術をしたいと思っているのですが、ポートアクセス法にも、何cmくらいまでの穴が適応範囲という基準はありますか?また現在、慶応大学病院以外の関東でポートアクセス法や、体への負担と傷口が小さくてすむ手術を行ってくれる病院がありましたら教えていただきたいです。最後に、この手術にかかる費用もだいたいでいいので教えていただけると助かります。



お答え

ご質問の中には詳しい心臓カテーテル検査の結果がありませんので、どの程度心臓や肺に影響が出ているのかわかりませんが、4cmの欠損孔は成人でもかなり大きいものです。この大きさでは肺高血圧症やかなりの右室拡大を伴うことが多いのですがまだ症状は強く出ていないのかも知れません。しかしあまり長く放置しない方が良いと思われます。心房中隔欠損症の一般的な閉鎖方法は人工心肺を用い、心停止あるいは心室細動誘導下に欠損孔を閉鎖するものです。大きい欠損孔であればパッチを使って閉じる必要があります。一般的に成人の場合は正中切開といって胸骨を縦に全切開するか、または胸骨下部の部分切開(傷を小さくするため)を行います。通常輸血は必要なく、体外循環手術の多い施設なら安全面ではまず問題はありません。一方Port Access法では人工心肺を使う事は同じですが、送血管を大腿動脈(足の付け根のところ)、脱血管を大腿静脈または頚部の静脈に入れて体外循環を確立します。さらに反対側の足の付け根から風船付きカテーテルをいれて大動脈を遮断し、心臓を完全に止めます。このようにすると人工心肺装置の管が邪魔にならないので主として乳腺下の小さな傷から欠損孔を閉じる事が出来ます。しかしあちこちから管を入れたり特殊な用具を必要とし、一般的な方法と比べて視野の悪い手術になります。ご質問の欠損孔の大きさはおそらくパッチ閉鎖が必要と考えられますし、また下大静脈側の壁がない下縁欠損型の可能性があり、やや手術が難しい場合も考えられます。このような点を踏まえ、ポートアクセス法に慣れた施設でのお話をよく聞いていただく必要があります。費用については一般的な保険請求額は200万円前後ですが更生医療など公費の給付を受けられますので自己負担は10万円以下のことが多いようです。この点についてもこれから治療を受けようとする施設でよくご相談いただきたいと思います。
文責:松尾 浩三