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成人先天性心疾患に関する学会の動向と診療体制

 成人先天性心疾患には多くの注意しておくべき問題点があります。1)小児期と異なる成人期合併症の把握、2)その症状や治療法、日常生活の注意点の把握、3)自分の病気の理解と社会的自立の推進、4)病診連携を含めた診療体制の確立、5)移行診療の必要性を理解することなどが必要です。米国では、2015年に、成人先天性心疾患専門医制度が発足しました。日本でも、日本成人先天性心疾患学会学術集会の教育講演、 成人先天性心疾患セミナー、 成人先天性心疾患症例検討会が定期的に開かれ、若い医師、医療従事者の教育に力を入れています。これらの学術集会や研究会には、患者も参加が可能で、医療従事者と一緒に勉強することができます。日本循環器学会に成人先天性心疾患部会、日本心臓病学会にも成人先天性心疾患問題検討委員会が設立されました。循環器内科医に成人先天性心疾患診療を行う部門を広げるという構想の下に、循環器内科医による成人先天性心疾患ネットワークが立ち上がり、現在、全国33施設以上の循環器内科部門が、成人先天性心疾患の専門診療を開始しています。これらの学会、研究会、ネットワークを中心として、成人期の問題点の解明、対策の策定、若手医師、患者教育が進んでいきます。
 成人先天性心疾患は、成人期特有の多方面の問題点(心臓病に関した問題点でけではありません)を含みます。このため、成人先天性心疾患の診療を専門とする医師、看護師を中心として、循環器内科医、小児循環器科医、心臓血管外科医、内科専門医、産科医、麻酔科医、臨床心理士などの多職種の専門家が参加するチーム診療システムが望まれています。


文責:丹羽 公一郎